episode.80 ページ30
*
阿部side
みんなごめん。
目指せゴールデンとか言ってたけど、それ以前に俺たち干されるかも。番組打ち切りとかなるのかな。
一瞬で色んなことが頭をよぎって、怖くて下げた頭を上げられないでいると、
P「、、もう、わかったよ。」
「、、へ、？」
想像していたのとは全然違う言葉が返ってきたようだった。
P「…極端なことして悪かったよ。
ただ、一つだけ約束してほしいんだ。
無茶も無理も絶対にするな。
無理な時は無理だって、絶対に教えてくれるか？
それだけは、俺も譲れないからさ。」
意地悪なんかじゃなくて、思っている何倍も、俺のことを気に掛けてくれたが故のことだったんだ。
「もちろんです、お約束します…！」
P「あとそれ、あんまり気にしないで使いなね。
写ってもカットしたりテロップ被せたり、編集でいくらでもなるから。」
それ、というのは、俺が最近着け始めたポンプのことだと思う。
隠すように着けていてほんの少しチューブが覗いてるだけだったのに、どうして分かったんだろう。
「え、あ、これ、はい、ありがとうございます！」
緊張しちゃって聞けなかったけど、病気のこと詳しいのかな、それとも調べてくれたのかな。
立ち上がりその場を去ろうとしたプロデューサーさんが、
『やってもらいたい企画溜まりまくってるからさ、頼んだよ』
そう言って肩を叩いた。
あんなに怖くてたまらなかったのに、触れられた手からは、めめがしてくれたのと同じだけの優しさを感じたんだ。
目「あべちゃん！！」
入れ替わるように、目が無くなりそうなくらいの笑顔でこちらに向かってきたのはめめ。
「なに〜聞いてたの。笑」
目「ごめん、心配で。でも大丈夫だったっしょ？」
「うん、ありがとね。」
なんて、このまま良い雰囲気で終わらないのが現実というもので。
耳障りでなんとも不愉快な警告音を大音量で鳴らし始めたのは、俺が着けてるポンプから。
やってしまった、電池切れだ。
目「阿部ちゃん、なんか鳴ってる、携帯？」
やべ、メンバーに話すの忘れてた。
ロケや企画をやり易くするために始めたのに。
「あー、後でちゃんと話すけど、これ、新しく使い始めた医療機器ね。ちょっと電池切れちゃった。」
ポカンとした顔で、そっか、と呟くめめを横目に、慌てて近くのコンビニに走った。
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ストロベリー - 3早く読みたいです 頑張れ〜 (2023年4月2日 21時) (
レス) id: 78d64c6e31 (このIDを非表示/違反報告)
円周率 - いつも楽しく読まさせていただいています。3のほうも読みたいと思っているのですがパスワードを教えてもらうことは可能でしょうか？ (2023年3月8日 6時) (レス) id: 6ee190949a (このIDを非表示/違反報告)
みどり - 続き気になるので、楽しみに待ってます (2022年11月26日 1時) (レス) @page45 id: 1e919caffa (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。ちゃんと他のメンバーに支えられながらライブできるといいですね、、、 (2022年7月25日 1時) (レス) @page38 id: 436e54c814 (このIDを非表示/違反報告)
あお - このお話大好きです！更新待ってます、頑張ってください！ (2021年10月13日 15時) (レス) id: b9c7362213 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しぃ | 作成日時：2021年5月23日 22時
