episode.71 ページ21
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阿部side
みんなに病気のことを打ち明けてから、日々の生活はだいぶ楽になった。
精神的にもだし、いちいち誤魔化さなくてもいいことなど、物理的な面でも。
ラ「阿部ちゃん顔色悪いよ！血糖測りな？ブドウ糖ある？」
振り入れに没頭してしまって、こんな風に最年少が世話を焼いてくれて助かることだってある。
俺だけじゃなく、メンバーも、一緒に向き合ってくれていた。
ただ、知られてしまったが故の代償は少なからずある訳で。
メンバーとは腹を割って話すことができても、その都度変わる現場のスタッフさんとなるとそうはいかない。
正しい理解を求めるのは難しいことだと分かってはいるものの、その誤った認識は時々俺を苦しめた。
今日だって雑誌の撮影で、小道具としてたくさん並べられたのは美味しそうな沢山のお菓子たち。
クッキーやドーナツにキャンディ、撮影で使うのにメンバーが勝手に食べちゃったりして。
それでもスタッフさんは、沢山あるから大丈夫ですよ〜なんて笑って見てる。
俺はめめとペアで撮影だったんだけど、御多分に洩れずめめも手に取ったドーナツを一口かじってニコニコ。
じゃあ俺も、と手を伸ばすと、スタッフさんの『あ！！』という声で手が止まった。
ス「阿部さんは食べちゃダメですからね！！」
スッと血の気が引いて、心臓がバクバクと音を立て始めた。
俺の病気って、やっぱりそんな勘違いされてるんだ。
違いますって言い返す？でも、空気を悪くせず上手く言える自信がない。
ふと隣のめめに視線を向けると、目の色を変えて今にも怒り出しそうな様子。
咄嗟に選んだ判断は、
「え〜残念！俺も食べたかったのになあ…めめだけずるい！」
そう言って、ほっぺたをぷくっと膨らませて身を捩ってみた。
「じゃあ、めめにあーんしよ！だめ？」
今度はこてんって首を傾げてみたりして。
必死に目で伝えた無言の訴えが届いたのか、一瞬唇を噛んで俯いた後すぐに顔を上げ、クシャッと笑って叫んだ。
目「佐久間くん！あざとい警察！まじ確信犯！」
スタッフさんも含めてその場が一瞬にして笑いに包まれる。
めめにしか届かないくらいちっちゃな声で『ありがとう』って伝えると、照れもせず、
『だって絶対に守るって約束したじゃん』
そう言って笑顔を向けてくれた。
俺ももっと強くなりたい。
優しいメンバーを見てて、そう思った。
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ストロベリー - 3早く読みたいです 頑張れ〜 (2023年4月2日 21時) (
レス) id: 78d64c6e31 (このIDを非表示/違反報告)
円周率 - いつも楽しく読まさせていただいています。3のほうも読みたいと思っているのですがパスワードを教えてもらうことは可能でしょうか？ (2023年3月8日 6時) (レス) id: 6ee190949a (このIDを非表示/違反報告)
みどり - 続き気になるので、楽しみに待ってます (2022年11月26日 1時) (レス) @page45 id: 1e919caffa (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。ちゃんと他のメンバーに支えられながらライブできるといいですね、、、 (2022年7月25日 1時) (レス) @page38 id: 436e54c814 (このIDを非表示/違反報告)
あお - このお話大好きです！更新待ってます、頑張ってください！ (2021年10月13日 15時) (レス) id: b9c7362213 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しぃ | 作成日時：2021年5月23日 22時
