episode.70 ページ20
*
阿部side
横になったまま寝ちゃってたみたいで、目が覚めるとメンバーに囲まれていた。
ちょっとびっくりしたけど、おかげでだいぶ身体は軽くなっていた。
自分の中でも一歩踏み出すきっかけとして、さっきはみんなのいる前では出来なかった測定を、ここでやってみた。
示された数値はさっきの半分くらい。
200ちょいってまぁ普通じゃない高さなんだけど、さっきの400超えからしたら全然元気に動けちゃう値な訳で。
側で見ていた佐久間も『だいぶ下がったね』って、伝えたばかりの俺の状態を一生懸命に理解しようとしてくれた気がして嬉しかった。
ふと辺りを見回してみると、舘さんと翔太の姿が見えない。
この状況で２人がいないことに、俺は少しだけ変な胸騒ぎがしてしまう。
疑ってるとか根に持ってるとかそんなんじゃなくて、ただ、俺が言い出さなくて結果迷惑をかけてしまったこと、まだ怒ってるんじゃないかって、ちょっと不安なんだ。
「ねぇ、翔太と舘さんは？」
それとなく聞いてみる。
ラ「あ、しょっぴーが外出てったっきり、どんくらい？40分くらい？帰ってこないから、舘さんが探しに行ったよ。そろそろ撮影始まるし。」
「ふぅん、そっか。」
何かあった？と問われるけど、ううん、何でもない、そう返事をして、トイレに行くフリをして俺も部屋を出た。
人目に付かなそうな屋外のベンチを目指して足を進めると、予想は的中してすぐにその姿を見つけることができた。
だけど、不意に聞こえてきた会話に足が止まってしまった。
“ 管理ができないのは、ルール違反、って、だから、俺があんなこと言っちゃったから、俺のせいだから、、”
自分を責める翔太の言葉。
“ 翔太だけじゃない。そもそもの引き金を引いちゃったのは俺だった “
打ち明けるように返した舘さんの言葉。
確かに、時系列だけを見たら、舘さんとご飯に行った日の夜に初めてて自分の手で自分の身体を傷つけた。
仕事に行きたくない、そう思って素直に入院を受け入れたのは翔太と話をした次の日だった。
でもそれは、偶々タイミングがそうだっただけ。
その日誰と何があっても、きっと俺は同じ様に限界を迎えて同じ結果を辿ったはず。
２人の所為だなんて思ってない。
ただ、思い出すとまだ胸がギュッとなってしまうから、
『もう何も気にしてないから心配しないで』
そんな気の利いた一言が、どうしても、言い出せなかった。
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ストロベリー - 3早く読みたいです 頑張れ〜 (2023年4月2日 21時) (
レス) id: 78d64c6e31 (このIDを非表示/違反報告)
円周率 - いつも楽しく読まさせていただいています。3のほうも読みたいと思っているのですがパスワードを教えてもらうことは可能でしょうか？ (2023年3月8日 6時) (レス) id: 6ee190949a (このIDを非表示/違反報告)
みどり - 続き気になるので、楽しみに待ってます (2022年11月26日 1時) (レス) @page45 id: 1e919caffa (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。ちゃんと他のメンバーに支えられながらライブできるといいですね、、、 (2022年7月25日 1時) (レス) @page38 id: 436e54c814 (このIDを非表示/違反報告)
あお - このお話大好きです！更新待ってます、頑張ってください！ (2021年10月13日 15時) (レス) id: b9c7362213 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しぃ | 作成日時：2021年5月23日 22時
