episode.90 ページ40
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阿部side
分かりきってはいたものの、改めて数値として自覚するとますます体は重く感じる。
しゃがんだ体制すら上手く保つことができなくて、ふらっと前に傾いたのをめめに抱き止められた。
目「阿部ちゃん、さすがに病院、だよね？ひとりじゃ無理だよね、俺一緒に…」
「っ、大丈夫、だから、ふたりは打ち合わせ、でて、」
目「でも…」
ラ「めめ、とりあえずここ移動しようよ。外のソファとかさ。」
目「そうだな、ごめん。」
もうすっかり俺よりも大きく逞しくなったラウと、不安げに眉を下げためめに両脇を固められ、まだギリギリ歩ける体を引きずって側にあるソファへ移動した。
目「水飲める？」
マスクの下の唇も、指先も、脱水でカサカサ。
受け取った水に口をつけると、止まることなく一気に飲み干してしまった。
こんな姿ビビらない訳ないのに、「もっとお水あるからね？」なんて落ち着いた様子で背中をさすってくれるラウ。
お礼を言う余裕もなく、絶え間なく襲う吐き気に顔をしかめて耐えていると、近くから聞き慣れた声がした。
「え…阿部くん？…大丈夫？」
目の前に立っていたのは、あのプロデューサーさんだった。
P「この感じだと低血糖じゃないよね、高いほうだよね？救急車、、はとりあえず大丈夫か。」
「、、っ、えっ、と、、」
頭が回らなくて口ごもってしまう。
P「病院行くなら少しでも早い方がいい。誰も行けないなら俺が連れて行くから。目黒くんとラウールくんこれ鍵、地下に車停めてるから阿部くんのこと運べる？俺事務所の方に断り入れてくるから。」
不信感があるわけじゃない。
ただ、どうしてこんなに親切にしてくれるのか。
不安な自分の心が顔に出たのか、少し眉毛を下げて困ったように笑うプロデューサーさんが小さな声で呟いた。
P「放って置けないんだ。お節介かもしれないけど、許してよ。」
そう言って、めめとラウの肩をポンと叩くと打ち合わせをしている部屋に消えていった。
ほんの少しの間でも、背中をさすっては「大丈夫？気持ち悪くない？」と声をかけ続けてくれるめめ。
体調が悪いせいで心まで弱くなっている俺は、そんな優しさでさえも涙腺を刺激して涙が出てしまう。
慌てた様子で、泣かないで〜と頭を撫でるのは最年少のラウ。
先輩なのに情けないと思いつつも、いつのまにかこんなにも成長していた年下２人組の存在に今だけは甘えることにした。
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ストロベリー - 3早く読みたいです 頑張れ〜 (2023年4月2日 21時) (
レス) id: 78d64c6e31 (このIDを非表示/違反報告)
円周率 - いつも楽しく読まさせていただいています。3のほうも読みたいと思っているのですがパスワードを教えてもらうことは可能でしょうか？ (2023年3月8日 6時) (レス) id: 6ee190949a (このIDを非表示/違反報告)
みどり - 続き気になるので、楽しみに待ってます (2022年11月26日 1時) (レス) @page45 id: 1e919caffa (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。ちゃんと他のメンバーに支えられながらライブできるといいですね、、、 (2022年7月25日 1時) (レス) @page38 id: 436e54c814 (このIDを非表示/違反報告)
あお - このお話大好きです！更新待ってます、頑張ってください！ (2021年10月13日 15時) (レス) id: b9c7362213 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しぃ | 作成日時：2021年5月23日 22時
