episode.61 ページ11
*
岩本side
ラウの言う保健室の匂いってやつ、つまりは頻繁に病院に行ってたんじゃないかなってことなんだろう。
近くにいたのに気が付けなかった。
でも、ひとつだけふと思い出したのは
「、あ、、痣、」
突然の俺の言葉に、みんなが一斉にこちらを向いた。
「あ、いや、入院する直前、腕にでっかい痣があったんだよ。
阿部はぶつけたって言ってたんだけど、あんな場所にどうやったらあんな痣できるんだって、ちょっと不自然な気して。
もしかしたら点滴とか、受けてたのかな、とか…」
そこまで話した時、またラウが何かに怯えたような顔で尋ねてきた。
ラ「、、岩本くん、その時の阿部ちゃんの痣って、どっち側?どこ?、、」
なんでそんなこと、と思いつつも、左の手の甲から腕にかけてだったと伝えた。
ラ「、まさか、だけど、、自分でやった、、、なんてこと、、ないよね、」
「、、、自分でって、どういうこと、、?」
ラ「辛いのとか、苦しいのとか、逃れるために、自分のこと痛めつけちゃったんじゃないよね、って、
だから、その、、自傷、、行為、って、、いうの、」
あまりに衝撃的なことを言い出すラウールに対し、流石に他のメンバーから待ったがかかる。
深「ラウ、ちょっとストップ、考えすぎ。一旦落ち着こう?」
向「せやで、何言うとるん、そんなことある訳、」
…
目「、、っ、、たぶん、そうだよ、っ、、」
康二が言いかけた言葉は、顔を手で覆って涙を隠す目黒の言葉に掻き消された。
こんなにほんの少しのヒントだけで紡ぎ出したのは、きっとラウが多感な時期にいて、日々色んなものと向き合い悩みながらいることの証明でもあった。
深澤「え、めめ、?…ちょっと、、」
目「俺、言ってなかったけど、退院する日、迎えに行ってて、
その時阿部ちゃん、駅のホームで、、っ、、
向かってくる電車見て、、
ここに飛び込んだら、楽になれるかな、って、、
俺、、最初聞こえなくて、でもなんか分からなきゃって思って、さっきまで駅のホームでずっと、何本も何本も電車見送って考えて、
そしたら目の前で線路に落っこちそうになった子供がいて、死んじゃうよって怒られてて、そこで俺、阿部ちゃんの声がはっきり聞こえたの、
それもこれも全部、、もうとっくに限界超えてんだよ阿部ちゃん、、このままじゃ、ほんとに、いなくなっちゃうよ、、」
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ストロベリー - 3早く読みたいです 頑張れ〜 (2023年4月2日 21時) (レス) id: 78d64c6e31 (このIDを非表示/違反報告)
円周率 - いつも楽しく読まさせていただいています。3のほうも読みたいと思っているのですがパスワードを教えてもらうことは可能でしょうか? (2023年3月8日 6時) (レス) id: 6ee190949a (このIDを非表示/違反報告)
みどり - 続き気になるので、楽しみに待ってます (2022年11月26日 1時) (レス) @page45 id: 1e919caffa (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。ちゃんと他のメンバーに支えられながらライブできるといいですね、、、 (2022年7月25日 1時) (レス) @page38 id: 436e54c814 (このIDを非表示/違反報告)
あお - このお話大好きです!更新待ってます、頑張ってください! (2021年10月13日 15時) (レス) id: b9c7362213 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しぃ | 作成日時:2021年5月23日 22時