episode.38 ページ38
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宮舘side
阿部のこと、稽古場で声を掛けるのでも良かったんだけど、久しぶりにゆっくり話がしたくてご飯に誘った。
昔は若さゆえ気まずい時期を過ごしたこともあったけど、今はお互いを尊敬した上で言いたいことを言い合える良い関係だと思っている。
他のメンバーなら遠慮してしまうことでも、俺なら節度を持ちつつストレートに話せる自信があったから、今回も照からの相談に応えようと名乗り出た。
待ち合わせ場所には少し早く向かったつもりだったのに、そんな俺より先に着いている彼はやっぱり真面目だ。
「ごめんね、待たせた？」
阿「全然、今来たとこ。」
店に入り席に着くと、お互いの近況報告や個人活動の話に花が咲く。
照に相談された事以外にも話したいことはたくさんあって、気が付けばもう２時間ほどが経っていた。
「なんか、こんなにゆっくり阿部と話すの久々だね。」
阿「そうだね。有難いことに忙しくなったもんね。」
メンバーといる時とは違い、ゆったりとした空気が流れる阿部との時間は心地がいい。
その雰囲気を壊してしまうかも、そんな気持ちも少しあるけど、聞かなくてはならないことがある。
「あのさ、回りくどい聞き方好きじゃないからはっきり聞いちゃうんだけどさ、」
そう突然切り出した俺を見る阿部は、少し怯えた顔をしていた。
「阿部、俺たちに隠してることあるでしょ？」
いつもならするりと身をかわす様な返事を返してくる阿部が、珍しくたじろいでいる。
「ごめんね、みんなふっかから聞いてたんだ。
それに最近、様子がおかしいことも気付いてる。」
阿「…ちゃんと言わなくてごめん。でも、ふっかからも聞いたと思うけど、ちゃんと病院には行ってるから…」
「でも、全然良くならないよね？」
阿「ほんとごめん、迷惑かけてるのは分かってるんだけど、少し、時間がかかってて。」
「あの時も、言ったよね。他人に迷惑をかけるのは許されることじゃ無いけど、メンバーは家族なんだから、迷惑くらいかけてよ、」
「それに、もうJr.じゃないんだから。もしこのまま我慢し続けて仕事に大きな穴を開けたら昔とは迷惑をかける規模が違うんだよ。」
受験の時のことを思い出しているのか、何も言い返してこない。
少し言いすぎたかも、とも思ったけど、俺は間違ったことは言っていないはず。
空気は一変、重たい雰囲気になった。
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あお - 続きが更新されるのを楽しみにしてます。 (2021年5月6日 1時) (
レス) id: 5edf3afd73 (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - 苦しくて泣いちゃうけど読み応えあります、大好きな作品です。 (2021年4月19日 1時) (レス) id: 08a263e11b (このIDを非表示/違反報告)
藍華(プロフ) - はじめまして！この作品を愛読させて頂いているものです。ほんとにお話を読むたび苦しくなるのですが、何回も読み返すくらい大好きな作品です! (2021年4月9日 0時) (レス) id: 55f4a21869 (このIDを非表示/違反報告)
恋した月(プロフ) - 初めまして、このお話が好きすぎるのでコメントさせてもらいます()どの描写もabらしくてSnらしくて本当に美しいくて苦しくて大好きです。これからも応援しています。 (2021年2月13日 17時) (レス) id: d6f1a4b68b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しぃ | 作成日時：2021年1月26日 12時
