episode.33 ページ33
*
ラウールside
「ねぇ、阿部ちゃん知らない？」
みんながキョトンとした顔で、何言ってるの？みたいな反応をする。
渡「え？ラウールお前一緒に撮影してたんじゃねえの？」
やっぱりそうだよね。
様子がおかしかったから心配なのに、一緒にいた俺ですら分からなくなるくらい足早にどこかへいなくなるんだもん。
いつもならメンバーひとり見当たらないくらいあんまり気にしないけど、あんなに手が震えててしんどそうだったから心配で。
でも、下手に全員の前で言ったら大事にしちゃうかもと思ったから、他の５人とは少し離れたところで喋っていたふっかさんとめめの元に向かった。
「ふっかさん〜めめぇ…」
深「なぁにそんな顔して、阿部ちゃんとお茶するって喜んでたじゃない。楽しかった？」
「その阿部ちゃんがおかしいのー、、、」
阿部ちゃんがおかしい、その言葉に、詳しく聞かせてと言わんばかりにめめが喰いついてきた。
目「おかしいって？」
撮影中、カップを持つ手がすごく震えていて、そのままカップを落としてしまったこと、胸が苦しそうだったこと、そのまま逃げるようにどこかへいなくなってしまったこと…
深「でも、朝とかずっと普通だったよね。途中で呼ばれちゃったけどお昼も食べようとしてたし。」
目「何か俺らに隠してることでもあるのかな…」
みんな何となく違和感は感じているようだったけど、確信を得られることはなくて。
どうしても心配になってしまって、戻ってきたらなんて声をかけようか、あたふたとしていたら、
深「ラーウ、ちょっと落ち着こう？心配なのはわかるけど。」
そうふっかさんに宥められた。
深「阿部ちゃんさ、ああ見えて結構落ち込みやすいのよ。みんなに心配されすぎたら、迷惑かけちゃったとか言って落ち込んじゃうかもしれないじゃない？俺がこっそり声かけて見るから、このことは任せてくれない？」
本当は自分で声をかけたいし、もし困ってるなら俺が助けてあげたい。
だけど、ふっかさんのいうことも分かる。
「聞いたらちゃんと、教えてくれる？」
目「ふっかさん、俺も。」
めめも多くは語らないけどめちゃくちゃ心配してるんだろうな。
深「だーいじょーぶ！ふっかさんに任せなさい！」
そうこうしているうちに、なんでもない顔をしてふらっと帰ってきた阿部ちゃん。
俺もまた、なんでもないように撮影に戻った。
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あお - 続きが更新されるのを楽しみにしてます。 (2021年5月6日 1時) (
レス) id: 5edf3afd73 (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - 苦しくて泣いちゃうけど読み応えあります、大好きな作品です。 (2021年4月19日 1時) (レス) id: 08a263e11b (このIDを非表示/違反報告)
藍華(プロフ) - はじめまして！この作品を愛読させて頂いているものです。ほんとにお話を読むたび苦しくなるのですが、何回も読み返すくらい大好きな作品です! (2021年4月9日 0時) (レス) id: 55f4a21869 (このIDを非表示/違反報告)
恋した月(プロフ) - 初めまして、このお話が好きすぎるのでコメントさせてもらいます()どの描写もabらしくてSnらしくて本当に美しいくて苦しくて大好きです。これからも応援しています。 (2021年2月13日 17時) (レス) id: d6f1a4b68b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しぃ | 作成日時：2021年1月26日 12時
