episode.3 ページ3
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阿部side
今日の稽古中、ふっかと目黒の視線をやたらと感じた気がする。
何か困ったことでもあるのかな。
離れたところで俺の話をしているなんて思いもせず、そんなことを呑気に考えていた。
深「あべべおつかれ〜い」
ふっかが2人きりの時にその呼び方をするのは、大体聞きにくいことを聞こうとする雰囲気を丸くしようとする時だ。
何を言われるのか、内心ドキドキしつつも平静を装った。
「おぅ、おつかれさま」
深「暑いしキツいよね、俺すぐ疲れちゃうんだけど。阿部ちゃんはちゃんと休めてる？飯食ってる？」
相槌を打つまでのほんの数秒、自分でも驚くほどのスピードで、頭の中を整理する。
ふっかが改まってこんなことを聞いてくる理由はなんだ？
さっきやたらと視線を感じたことと関係してる？
目黒も一緒だったし、その周りには他のメンバーもいた。
俺も少し感じている違和感に、もしかしたらみんなも気付いているのかもしれない。
だけど今この大事な時に余計な心配をかけたくないし、万が一仕事をセーブさせられたら…
一瞬にして答えを出した。
これで間違っていないはずだ。
「ほんと暑いよね〜向こう一週間ずっと猛暑日だって。あーそうめん食べたいなー！でもクーラーの効いた部屋で爆睡するのもいいね。」
作ったような明るさでそう言って、ふっかにキラースマイルを向ける。
深「あら、あべちゃん天気予報独り占めしちゃった。まぁお互い無理せず頑張ろう。なんかあったらすぐ言ってよ？」
“何かあったらすぐ言って”
ふっかの優しさに嘘をついてしまったことに少し胸が痛んだけど、仕方ない。
それに、怪我をしたり体調が悪くてもステージに立つことなんてこの世界では珍しいことではない。
今休むわけにはいかないんだ、大丈夫、そう自分に言い聞かせた。
でも、ひとりになった帰り道に思う。
あまりにも疲れの抜けない身体、なんてことない坂道にも負けてしまう呼吸、何かがおかしいことは自分でも分かっていた。
せめて公演が終わるまでのあと１ヶ月耐えてくれれば何とかなる、気が滅入ったら崩れてしまいそうで、切り替えようと頬を叩いた。
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あお - 続きが更新されるのを楽しみにしてます。 (2021年5月6日 1時) (
レス) id: 5edf3afd73 (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - 苦しくて泣いちゃうけど読み応えあります、大好きな作品です。 (2021年4月19日 1時) (レス) id: 08a263e11b (このIDを非表示/違反報告)
藍華(プロフ) - はじめまして！この作品を愛読させて頂いているものです。ほんとにお話を読むたび苦しくなるのですが、何回も読み返すくらい大好きな作品です! (2021年4月9日 0時) (レス) id: 55f4a21869 (このIDを非表示/違反報告)
恋した月(プロフ) - 初めまして、このお話が好きすぎるのでコメントさせてもらいます()どの描写もabらしくてSnらしくて本当に美しいくて苦しくて大好きです。これからも応援しています。 (2021年2月13日 17時) (レス) id: d6f1a4b68b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しぃ | 作成日時：2021年1月26日 12時
