episode.17 ページ17
*
岩本side
今日はついに滝沢歌舞伎zeroの千秋楽を迎える。
気持ちが高まっていたのか、心のどこかで緊張をしているのか、予定よりだいぶ早く目が覚めてしまった。
必要のなかったアラームを消そうとスマホを手に取った時、ついさっき送られてきたばかりのメッセージが目に入った。
送り主はマネージャー。
集合時間の変更かな、それくらいの気持ちで開いたメッセージは、千秋楽を迎える日に相応しくない緊迫したものだった。
【 From マネージャー 】
「おはようございます。
阿部さんが体調を崩され、病院で点滴を受けています。
本人の意思は固く絶対に出ると言い張るため一応お医者さんの許可はいただいたので会場に向かいます。
ただ、とてもフルで舞台に立てるような状況ではありません。
脱水症状が酷く、今朝は一人で歩くことができませんでした。
フォーメーションの組替えは必須だと思われます。
可能な限りで構わないので、予定より早めの入りをお願いします。」
一瞬で頭の中が真っ白になる。
確かに昨日も様子がおかしいとは思ってた。
だけど、いつも通り最後までこなせていたはずだったのに。
思考回路がショートしその場に立ち尽くしていた時、再びスマホが誰かからの着信を伝えた。
「ふっか、、、」
深「もしもし照？マネージャーから連絡来た？」
「来た、俺、どうしよう、、」
自分はしっかりしていないといけないのに、つい不安な気持ちを見せてしまった。
深「とりあえず俺はもう向かってるから、どうするかも本人に会って状況確認してから考えよう。他のメンバーも動揺してるはずだから、照、俺らでしっかりやろうな。」
「ごめん、わかった。俺もすぐ出る。」
ふっかの言葉で我にかえり、寝癖に帽子をかぶって家を飛び出した。
程なくしてメンバーが揃い、少し打ち合わせをしようかと思っていたところに、マネージャーさんと阿部が到着したとの知らせ入った。
誰が声を上げるでもなく一目散に楽屋を飛び出してみんなで阿部のもとへ向かった。
送迎車のドアを開けると、肩で息をしながら力なく横たわる阿部の姿が。
「阿部、劇場着いたよ、分かる？」
何度か肩を叩いて声をかけるとやっと目を開けた。
阿「、ごめん、、ごめん、みんな、ごめん、、」
ごめん、うわごとのようにそう繰り返す阿部は、自力で起き上がることすら困難なようだった。
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あお - 続きが更新されるのを楽しみにしてます。 (2021年5月6日 1時) (
レス) id: 5edf3afd73 (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - 苦しくて泣いちゃうけど読み応えあります、大好きな作品です。 (2021年4月19日 1時) (レス) id: 08a263e11b (このIDを非表示/違反報告)
藍華(プロフ) - はじめまして！この作品を愛読させて頂いているものです。ほんとにお話を読むたび苦しくなるのですが、何回も読み返すくらい大好きな作品です! (2021年4月9日 0時) (レス) id: 55f4a21869 (このIDを非表示/違反報告)
恋した月(プロフ) - 初めまして、このお話が好きすぎるのでコメントさせてもらいます()どの描写もabらしくてSnらしくて本当に美しいくて苦しくて大好きです。これからも応援しています。 (2021年2月13日 17時) (レス) id: d6f1a4b68b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しぃ | 作成日時：2021年1月26日 12時
