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episode.49 ページ49

*
阿部side






タイムリミットは二週間、俺はある選択を迫られていた。


それは、数ヶ月前だったら少しも迷わずに答えを出せていたもの。


だけど状況が一変した今、なかなか心を決めることができずにいた。






遡ること数時間前、無機質なカンファレンスルームで主治医から今の体の状態を聞かされていた。





医「分かってると思うけど、次同じような状態になったらもう元に戻るのは難しいと思って。」





何も答えられず黙って小さく頷いた俺に先生は続けた。





医「大きな制限がある病気じゃないけど、それはちゃんと注射を打って数値を安定させられている前提の話だからさ。


また同じことを繰り返してしまうようなら、変わらずに今のお仕事を続けて良いよとは言えないかな。」





自分でも薄々気付いていただけに、言い返す言葉がなかった。

また何も言えないまま涙だけが溢れてきて、それを見た先生は『泣くのは反則だよ〜』なんて笑ってる。






そんな俺を更に悩ませたのは、心療内科のカウンセラーさんから掛けられた言葉だった。





治療を放棄したことを叱るどころか、逆に俺の気持ちを肯定してくれたんだ。





カ「そうすることで心を守ったんでしょう?体の調子は悪くなってしまったけど、心が壊れないようにちゃんと自分で守れたんだよね。」



自分を責めてしまわないように、優しく優しく選んでくれた言葉だったんだと思う。


有り難かった、嬉しかった。




それと同時に、そこまでしないと自分を守れないような場所に、この先も居続けて良いのだろうか、そうも思った。


大好きなSnowManを、メンバーを想うなら、自分から身を引くべきなのだろうか。


考えれば考えるほど答えなんか出せなかった。









病室に戻りベッドに横になって、メンバーからの大量のメッセージを無視し続けているスマホを手に取った。




今だって、開くつもりも返信するつもりも無かったのに、ある人物からの着信に心が揺れた。







『絶対に阿部ちゃんを守ってあげたい』







嘘のない目でそう言ってくれたことがあった、目黒からだった。





病室を出て電話ができる場所まで向かう数分、もし辿り着くまで着信が途切れなかったら電話に出ようと決めた。




きっと切れちゃうよ、そう思ってたけど









「っ、もしもし、めぐろ、、」






年上なのに、先輩なのに、弱い俺でごめんね。



少しだけ、頼ってみても良いかな?

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あお - 続きが更新されるのを楽しみにしてます。 (2021年5月6日 1時) (レス) id: 5edf3afd73 (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - 苦しくて泣いちゃうけど読み応えあります、大好きな作品です。 (2021年4月19日 1時) (レス) id: 08a263e11b (このIDを非表示/違反報告)
藍華(プロフ) - はじめまして!この作品を愛読させて頂いているものです。ほんとにお話を読むたび苦しくなるのですが、何回も読み返すくらい大好きな作品です! (2021年4月9日 0時) (レス) id: 55f4a21869 (このIDを非表示/違反報告)
恋した月(プロフ) - 初めまして、このお話が好きすぎるのでコメントさせてもらいます()どの描写もabらしくてSnらしくて本当に美しいくて苦しくて大好きです。これからも応援しています。 (2021年2月13日 17時) (レス) id: d6f1a4b68b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しぃ | 作成日時:2021年1月26日 12時

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