検索窓
今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:11,012 hit

記憶 ページ1

___



「おばあちゃん、これなーに?」




おじいちゃんが亡くなって、「こんな大きな家に一人で暮らしてたら寂しい」と言ったおばあちゃんが私の家に住むことになって。





家の整理をしていた時、当時7歳の私は屋根裏でそれを見つけた。






それは薄くて平らな木箱で、やけにきらびやかな装飾が施されていた。





首を傾げてそれを見たおばあちゃんは、やがてその目を見開いて目じりを下げた。




『こんな所にあったんだねぇ』




私からそれを受け取って、しわしわの指で愛おしそうに撫でた後また私にそれを返してきた。




『開けてみなさい』




おばあちゃんの言う通りゆっくり箱を開けてみれば、そこには綺麗な掛け鏡が鎮座していて。




金色の縁にサビひとつ無い鏡。まるでお姫様が使いそうなその鏡に、プリンセスや童話が好きな年頃である私は「かわいい…!」と目を輝かせた。





『気に入ったのならAにあげるよ』





「ほんと!?ありがとう、おばあちゃん!」





『大事にしなさいね』





微笑んで頭を撫でてくれたおばあちゃんに、私はその鏡を両手でぎゅっと抱きしめながら頷いた。





今考えれば、この出来事こそ運命だったのかもしれない。

1話→



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (48 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
190人がお気に入り
設定タグ:BTS , 防弾少年団 , ソクジン
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:すあ。 | 作成日時:2020年8月24日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。