Dead World【Shota.W】2

＊ ページ17

Side佐久間


『＿＿お掛けになった電話番号は

現在使われていないか＿＿』


何度、阿部ちゃんのスマホに電話しても

無機質な音声しか聞こえてこない。


佐久間「阿部ちゃん？

声聞くだけでいい。それだけでいいから

折り返しして？俺、待ってるから」








翌日、阿部ちゃんは出社して来なかった。


「佐久間。お前阿部と仲良いよな？

なんかあったのか？」


上司にそう言われた。


佐久間「俺にもよくわからなくて……」


Aちゃんのことは黙ってた方がいいだろう。


佐久間「俺今日の帰りちょっと家寄ってきますね」


「助かる。ありがとう」






ﾋﾟｰﾝﾎﾟｰﾝ


でも、阿部ちゃんは出て来ない。


佐久間「阿部ちゃん？いないの？」


応答はない。


「さく、ま……？」


後ろから声がした。


振り返ると阿部ちゃんがいた。

少しだけやつれていた。


佐久間「阿部ちゃん！！」


阿部「なんで佐久間いるの？」


佐久間「なんでって、阿部ちゃんが心配で

って、阿部ちゃんどこ行ってたの？」


阿部「……Aのとこ」


佐久間「Aちゃんに会えたの！？」


阿部「弁護士以外は面会禁止なんだって……」


佐久間「そう、なんだ……」


阿部「立ち話もなんだから上がりなよ」

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