121話 ページ27
美形と目があうって響きだけは素敵だけどこの状況は別。たとえ元の世界では好きなキャラクターだったりしても敵対していたら蛇に見込まれたカエルだ。
まあそのまま無視してくれるだろうという甘い考えも束の間。
「なあ嬢ちゃん」
角砂糖を床に落としたように一瞬で予想が砕かれた。あーはいはいそうですか世の中はそう自分の思い通りにいきませんってかふざけんな
「何だと思う?」
「はっ?」
「『餌』だよ。真逆今の話を聞いてなかったッてことはねえよな?」
いや聞いてるに決まってるでしょ。学生時代の頃しっかり校長先生のお話だってちゃんと聞いてたからな。先生のダジャレだって愛想笑いしながら聞いてたからな。宗教勧誘だってちゃんと聞いてたからな。問題はそこじゃないんだわ。
なんで私にふる?
そこは乱歩さんじゃないん?
気分的にはこう…学級委員決めで関係ないやーと校庭を眺めていたら突然推薦された時…みたいな。
咄嗟の事で上手く返答できずにたじろいでいたが与謝野女医が私の前に出てくれた。
「嬢ちゃんってのはAの事かい?そんなにこの子が気になるなら先約がいるよ。悪いね」
んー、先約って与謝野女医のことですか?治療目的の先約ですか?それとも出まかせですか?真逆あの春樹とかいう白髪じゃないですよね?
ああ だめだ。上手く頭が回らない
「先約がいるのは知っている。気にいった訳でもねえ。ただ嬢ちゃんが若し云い中てたとしたらおまけで情報をもう一つやるよ。……ただ情報と云ってもこの戦争に関わることじゃねえがな」
「あの…若し、中らなかったら?」
「俺は踵を返して帰るよ」
先約がどうとかはもう突っ込んでいられない。それより踵を返して帰るだって?つまり私の答えによって戦況が大きく変わってしまうのか?
否、乱歩さんは恐らく『餌』の正体は判っている筈だ。若し私が中てることができなくとも乱歩さんだったら持ち前の頭脳で『餌』を中てることができる。
…でもそれで本当にいいのか?
というより何の為に?何で情報を与えくれる機会を用意するのだろう?
頭に疑問符が飛び交う。複数の何故が脳を埋め尽くす。冷や汗が出る。どうしよう、どうしよう______
「Aちゃん」
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ぺぽん(プロフ) - 迷たんてーさん» いえいえ、とても参考になりました。ありがとうございます! (2023年2月26日 6時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
迷たんてー(プロフ) - ぺぽんさん» に載せています。長文で申し訳ないです。 (2023年2月26日 1時) (レス) id: 5339bce968 (このIDを非表示/違反報告)
迷たんてー(プロフ) - ぺぽんさん» お返事遅くなりすみません。面白いと言っていただきとっても嬉しいです!そうですね、アイデアを出そうと思っても出ないものなので、ある時突然頭に降ってきます。あとは私は生粋の夢女なので、原作を見ている時に夢主はこんなことをするのかなと時折考えて、それを小説 (2023年2月26日 1時) (レス) id: 5339bce968 (このIDを非表示/違反報告)
迷たんてー(プロフ) - しがない一般人さん» お返事遅くなりすみません。ありがとうございます (2023年2月26日 0時) (レス) id: 5339bce968 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - 面白くて一気に読んでしまいました!オリジナルのお話も含まれていて飽きません。質問なのですか、どうやってオリジナルの話を考えていますか?イメージが突然降ってくるものなのでしょうか?良ければ教えてください! (2023年2月20日 3時) (レス) @page16 id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:迷たんてー | 作成日時:2019年2月22日 18時