120話 ページ26
…矢ッ張り私なんかが敵う相手じゃない。
唇をきゅ、と固く結び、次の手を考えていると
「答えよ ポートマフィアの特使」
「貴兄らの提案は了知した 確かに探偵社が組合の精鋭を挫けば貴兄らは労せずして敵の力を
あ、そうか。さっき私はマフィアに得は無いとか云ってたけど、探偵社が組合の能力者をどうにかすればマフィアは楽してこの状況を一歩リードできる訳か
社長の言葉で納得する
「三社鼎立のなればあわよくば探偵社と組合の共倒れを狙う策も筋が通る」
「だがお宅にも損はない だろ?」
爽やかな顔つきで交渉を進めようとするが次の一声で空気が張り詰めた
「この話が本当にそれだけならばな」
「探偵社が目先の獲物に喜んで噛みつく野良犬だとでも思うのか?敵に情報を与え操るは高等戦術だ このような
まあそう考えますよね、と心の中で同意を示す。
戦略なんて今までずっと無縁だった私でもなんとなく判る。この取引には、こう______得体の知れない何か、例えば……探偵社と組合が同じくらい損失のリスク負うような、そんな何か。
もしそのような事が裏にあればマフィアは一気に優勢に立てる。まあただの勘だから中って欲しくない限りだけど…
「この件の裏でマフィアはどう動く?」
「“動くまでもねえよ”」
動くまでも…ない?
不敵に笑う彼を見て ぞっと背筋が凍る。まさか…まさか考えている勘が中って…たりしないよな?
冷や汗が一筋垂れる。
「やあ 素敵帽子君。組合の御機嫌二人組に情報を渡したのは君かい?」
素敵帽子に御機嫌二人組。奇抜な渾名をつけた乱歩さんに思わず心の中でふっ、と笑う。中也さんも帽子を無意識に触りながら肯定の返事をした
「組合は僕達と同じように罠を疑った筈だ。しかし彼らは食いついた。余りに『餌』が魅力的だったからだ______何で組合を釣った?」
その言葉を待ってましたと云わんばかりに笑みを深める彼。そうか、マフィアは『餌』で組合を操っているのだ。食いつくということはそれほど組合にとって素敵な“何か”つまりそれは______
………その時。
バチッと中也さんと目があった。
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ぺぽん(プロフ) - 迷たんてーさん» いえいえ、とても参考になりました。ありがとうございます! (2023年2月26日 6時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
迷たんてー(プロフ) - ぺぽんさん» に載せています。長文で申し訳ないです。 (2023年2月26日 1時) (レス) id: 5339bce968 (このIDを非表示/違反報告)
迷たんてー(プロフ) - ぺぽんさん» お返事遅くなりすみません。面白いと言っていただきとっても嬉しいです!そうですね、アイデアを出そうと思っても出ないものなので、ある時突然頭に降ってきます。あとは私は生粋の夢女なので、原作を見ている時に夢主はこんなことをするのかなと時折考えて、それを小説 (2023年2月26日 1時) (レス) id: 5339bce968 (このIDを非表示/違反報告)
迷たんてー(プロフ) - しがない一般人さん» お返事遅くなりすみません。ありがとうございます (2023年2月26日 0時) (レス) id: 5339bce968 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - 面白くて一気に読んでしまいました!オリジナルのお話も含まれていて飽きません。質問なのですか、どうやってオリジナルの話を考えていますか?イメージが突然降ってくるものなのでしょうか?良ければ教えてください! (2023年2月20日 3時) (レス) @page16 id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:迷たんてー | 作成日時:2019年2月22日 18時