114話 ページ20
「Aちゃんッ!」
「ッはは、大丈…夫ですよ。その方が云うように…急所は…外れてる…んで…」
敦さんに身を心配されつつもちっとも大丈夫じゃない。人差し指切られた時よりかはマシだけどこれはこれで滅茶苦茶痛いって。でも敦さんの方が重傷で心配だ
「鏡花…ちゃ…」
掠れる声で怯える少女に声かける
顔に表れる痛みを必死に隠して赤子をあやすように云った
「飴玉…大事に食べなよ…」
そこで私の意識はテレビのようにぷつんと途絶えた。実に不甲斐ない
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朦朧とする意識の中、眼球から見えた景色は九つ程ある光のかたまり。耳から聞こえたのは金属が擦れる音
先程まで感じていた痛みはいつのまにかひいているようだ。ゆっくり躰を起こそうとすると____
首しか上がらない。
慌てて自分自身を見ると……革の拘束具。
滝のように汗がだらだらと吹き出て、人の気配がする方に目をやると
「おやァ?起きたのかい?」
ワイシャツにトマトジュースでもこぼしたんだ、きっとそうだ。治療でこんな血の量が衣服につくはずないもんね。手に持っている鉈だってジュースをこぼしたんだよね。だから……
虚ろな目をしてあるであろう私はジュースまみれの探偵社女医様に口を開いた
「あの、与謝野女医?これをはずし」
「さァA?治療再開の時間だ」
「治ってますよ?私もう無傷ですよ?」
「何云ってンだい。ほら…まだ」
手袋をした彼女の手は私の頬に添えられた
と同時にぴりっとした痛み
「ここに切り傷があるじゃあないか」
回復した後についたらしき傷口。あ…あ…と某 手から偽砂金を出す面妖な神様の声しか出ない
…この後 私の断末魔のような悲鳴が社に響き渡ったのは云うまでもない
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「全く腑甲斐無いねェ 妾の能力が無きゃ今頃揃って土の下だよ」
「「「……」」」
私と敦さん、あと何故か国木田さんが撃沈。
今となっては三角巾から解放されたがここまでして治したかった訳じゃない…
呆れたように与謝野女医が言葉を吐き捨てると社長が現れた。………厭だなあ、こんな腑抜けた姿見せたくないけど躰が思うように持ち上がらない
社長は私達を一瞥すると社を後にした。女医によると、あれは相当
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ぺぽん(プロフ) - 迷たんてーさん» いえいえ、とても参考になりました。ありがとうございます! (2023年2月26日 6時) (レス) id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
迷たんてー(プロフ) - ぺぽんさん» に載せています。長文で申し訳ないです。 (2023年2月26日 1時) (レス) id: 5339bce968 (このIDを非表示/違反報告)
迷たんてー(プロフ) - ぺぽんさん» お返事遅くなりすみません。面白いと言っていただきとっても嬉しいです!そうですね、アイデアを出そうと思っても出ないものなので、ある時突然頭に降ってきます。あとは私は生粋の夢女なので、原作を見ている時に夢主はこんなことをするのかなと時折考えて、それを小説 (2023年2月26日 1時) (レス) id: 5339bce968 (このIDを非表示/違反報告)
迷たんてー(プロフ) - しがない一般人さん» お返事遅くなりすみません。ありがとうございます (2023年2月26日 0時) (レス) id: 5339bce968 (このIDを非表示/違反報告)
ぺぽん(プロフ) - 面白くて一気に読んでしまいました!オリジナルのお話も含まれていて飽きません。質問なのですか、どうやってオリジナルの話を考えていますか?イメージが突然降ってくるものなのでしょうか?良ければ教えてください! (2023年2月20日 3時) (レス) @page16 id: 83a944f022 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:迷たんてー | 作成日時:2019年2月22日 18時