拝啓、君を好きになるまで。 (ページ3)

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その後も話しかけては無視されを繰り返しているうちに、幾ら義務とはいえ、自分がとてつもない嫌われ者に見えてきた。

同時に投げ出したいと思う気持ちが強くなる。

出来るわけない。

足を踏ん張り、溜息をこらえ、校門を眺めた。

青いジャージが見えた。

……来た。

「おはようございます、せんぱい。」

「……おはよう、きんときくん」

私に声を掛けてくれる数少ない内の一人。

……二年のきんときくん。

きんときくんのことだから、気を使って声掛けてるんだろうけど、

でもやっぱり毎日気がつけば、校門を眺めている私がいる。

校則違反を何もしてないいつもの学校指定の上下。

いっつもそれじゃん。

心の中で苦笑いしながらもそこがまたきんときくんらしいと思う。

体育がない日もこれだし。

校則違反はしてないから良いんだけど。

何故かめちゃくちゃ似合ってるし。

「何ですか、そんなじろじろ見て。」

「いやぁ、何でもないよ」

ずっと見ていたら怪訝そうな目でそう言われてしまった。

でも面白いからしょうがないよね。