ラウンジ ページ13
「先輩…?」
『いや、なんでもない。何か頼もう』
まさか!まさかあのやたら足が長いスーツのお兄さん二人が知り合いに見えるなんて!
きっと見間違いだよね、疲れちゃったかな私
「お二人の分持ってきましたよ。ヨークシンで働いていると言ったら、バーメイドさんが特別なカクテルにしてくれたんです!」
フランちゃんの声に振り向くと、カウンターでこちらにお辞儀をする女性も目に入る。すごいな、フランちゃんのコミュ力
「あのボックス席を使いましょう」
歩いていく倉橋ちゃんが、窓の側のボックス席で立ち止まる。
倉橋ちゃんの向かいに座って、カクテルを机上に置く。キラキラと輝くカクテル。黒の輪郭を持った淡いブルーの中に、宝石のようにカットされた果実が浮かんでいた。
綺麗だ。ヨークシンの夜空に浮かぶ月みたい
『「「かんぱーい」」』
息ぴったりでグラスを合わせてカクテルを味わう
『美味しい!』
フワッと香る、甘いカシス。石榴の酸味が上品
「こんなの初めて飲みました…」
「イメージカクテルかな?綺麗だね♥」
『いやー、本当にってブフファッ!!』
「きゃー!先輩なに吹き出してるんですか!!」
いや待って、今なんか聞こえなかった!?大胆に会話に入ってるやついたよね?
『ヒソカさん!?』
「今晩は♦」
突如背後から現れたのは……ヒソカさん。サラサラとした髪を耳にかけながら顔を近づけてくる。白い指先がなぞった耳には、赤いピアスが光っていた。
「ねー、ヒソカ。勝手にウロウロしないでくれる?」
『イルミさんだと思いました……』
このラウンジに入ったとき、気付いた。イルミさんの長髪と、ヒソカさんの、髪型は違くても特徴的な赤髪。そっくりさんであってほしかった…
「先輩、どちら様ですか?」
『あはは、あまり親しくない類の知り合い』
ヒソカさんを睨み付ける倉橋ちゃん。あれ、そういえば
「後輩ちゃんか♣」
「あ、分かりました。あの時の!」
通話したこともリモート飲み会したこともあるねこの二人
「ねえA。この前の話終わってないし二人で飲まない?」
『黙ってろボンボン長男!』
やめろ、これ以上混沌とさせるんじゃない。
「Что это значит!Кто они!?」
『フランちゃん!それ母国語だから、落ち着いて!なんにも分かんないって!』
待って、とりあえず全員が同じタイミングで話すのをやめてくれ
—
『だめだ、濃い。誰だよこれ集めたの。各自が個性を出しすぎてる』
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shela(プロフ) - はにゃ?さん» コメントありがとうございます!読みやすさ重視で頑張っていたのでとても嬉しいです〜応援ありがとうございます、これからも頑張ります!! (2023年2月10日 18時) (レス) id: 9d22579331 (このIDを非表示/違反報告)
はにゃ? - とても読みやすいです。これからも応援してます。 (2023年2月10日 8時) (レス) id: ef6fdebb20 (このIDを非表示/違反報告)
shela(プロフ) - アクアクさん» コメントありがとうございます〜!読者様の求めている作品に一致しているだなんて、本当に光栄です!!必ず続きを書きますので、これからも社畜少女にお付き合いいただければ嬉しいです!作品を読んでいただき、ありがとうございました! (2023年1月4日 17時) (レス) id: 9d22579331 (このIDを非表示/違反報告)
アクアク(プロフ) - これぞ私が求めていた作品そのもの!!続き待ってます!!!! (2023年1月4日 8時) (レス) @page45 id: 2730d44706 (このIDを非表示/違反報告)
shela(プロフ) - レーナさん» 読んでくださって、そしてコメントまでありがとうございます!お褒めのお言葉いただき嬉しいです!嬉しすぎますっ!!ネタやテンポ、力を入れているところなのでそう言ってもらえて本当にもう…!お気遣いありがとうございます、これからも頑張りますっ! (2022年4月2日 8時) (レス) id: 9d22579331 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:shela | 作成日時:2021年12月28日 19時