朝焼け ページ1
「ただいまより、この飛行船は着陸体制に入ります。室内でご着席願います。業務アナウンス、乗務員は………」
通りすぎていく雲に、薄いオレンジが混ざる。朝焼けの空を眺めながら、私は試験のことを思い出していた。
「お客様。こちらへどうぞ」
『あ、すみません。』
着陸時には、安全面の観点から室内にいないといけないらしい。
乗務員のお姉さんに続いて、柔らかい光の透けるバルコニーをあとにした
座席に座って待っていると、軽い揺れのあとに着地のアナウンスが流れる。
ゲートを抜けるまで、私の頭の中には試験の思い出が流れていた。抜けるまでは…
「先輩!!」
『倉橋ちゃん!?いや、あれ言ってない……おふっ』
弾丸のような勢いで突然現れた倉橋ちゃんに抱きつかれる
「心配しましたよ、試験終わっても帰る気配ないし!」
『ごめんね……それで、私の位置情報はどこで売られてたのかな?』
「J○Lのサイト毎日見ました……A○Aじゃなくて良かった…」
『S○Yも入れてあげなさい!』
そもそも見るじゃないよねそれハッキングだろ!!
駄目だ、つっこむところが多すぎる。相変わらずとんでもないなこの子は
「先輩も出社しましょう。ちょっと早いけどここから400メートルですし。スーツありますよね?」
倉橋ちゃんはスーツ姿。現在七時。まあ、出来なくもないけど…
『ごめんね、ペット預けてるんだ。その子たちは会社に連れていけないから』
「鷲と、犬でしたっけ……」
話している傍から、CAさんが持ち主不明のスーツケースをどんどん運んでいく。迎えにいかないと
「じゃあ、今日はゆっくり休んでください。電車の往復も疲れますし」
『え!?ホワイト!本当に?』
「私をなんだと思ってるんですか。どうせ会社には連絡入れてなさそうだし、今日にでも入れて明日来たらどうですか〜」
そう言ってさっさと歩いていく倉橋ちゃん。全くツンデレなんだから……
『迎えに来てくれてありがとう!大好き!倉橋〜!』
「恥ずかしいから今すぐ黙ってください!きゃああ、来ないで!」
倉橋ちゃんは、優しい子だ。本当、私って環境に恵まれてたのかもしれないな
「では、私行きますね。仕事、沢山溜めて待ってまーす」
『ありがとー。』
ハイヒールの音を響かせて倉橋ちゃんが空港の出口へ歩いていった
___
『まぁ、予想はしていた。携帯のGPSって言わなかっただけありがたい』
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shela(プロフ) - はにゃ?さん» コメントありがとうございます!読みやすさ重視で頑張っていたのでとても嬉しいです〜応援ありがとうございます、これからも頑張ります!! (2023年2月10日 18時) (レス) id: 9d22579331 (このIDを非表示/違反報告)
はにゃ? - とても読みやすいです。これからも応援してます。 (2023年2月10日 8時) (レス) id: ef6fdebb20 (このIDを非表示/違反報告)
shela(プロフ) - アクアクさん» コメントありがとうございます〜!読者様の求めている作品に一致しているだなんて、本当に光栄です!!必ず続きを書きますので、これからも社畜少女にお付き合いいただければ嬉しいです!作品を読んでいただき、ありがとうございました! (2023年1月4日 17時) (レス) id: 9d22579331 (このIDを非表示/違反報告)
アクアク(プロフ) - これぞ私が求めていた作品そのもの!!続き待ってます!!!! (2023年1月4日 8時) (レス) @page45 id: 2730d44706 (このIDを非表示/違反報告)
shela(プロフ) - レーナさん» 読んでくださって、そしてコメントまでありがとうございます!お褒めのお言葉いただき嬉しいです!嬉しすぎますっ!!ネタやテンポ、力を入れているところなのでそう言ってもらえて本当にもう…!お気遣いありがとうございます、これからも頑張りますっ! (2022年4月2日 8時) (レス) id: 9d22579331 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:shela | 作成日時:2021年12月28日 19時