星の夜には ページ26
『ヒソカさんと行くのは確かにそうなんですけど…デートじゃないですよ?脅されて屋台見るだけですから』
「は?ヒソカがAからデートに誘われたって言ってたんだけど」
うわヒソカさん何してくれてんの。多感な時期の中学生かよ
『誘うわけないじゃないですか。もうイルミさんも一緒に行きましょうよ』
「え、やっぱり本命は俺だった?」
『あはは、そうそう』
目を輝かせるイルミさんに思わず吹き出してしまった。
彼の良いところは一周回って扱いやすいところだよね。なんか可愛いな
『なによりも、私とより友達のヒソカさんとの方が楽しめそうですし』
「ヒソカとじゃ意味ないんだけど」
はーっとため息をついてこちらを見るイルミさん。
イルミさんが私と行きたいって思ってくれる理由が唯一謎だよね。そんなに仲良かったかな私達
『分かってますよ、親友!』
「違う。全然違う」
『んなこと分かってんだって、相棒』
「違う。気持ち悪い」
ちょっと待ってこれ本当に行きたい相手私であってるかな。大分怪しいよ
『ま、まぁトリックタワーの仲ですしね!仲良くやりましょう』
「そうだねー」
幼さの抜けた一連の無機質な返事に、イルミさんのナイーブモードが治ったことを悟る。
どこか達観した、諦めたような視線は、まさにいつものイルミさんだった
『いつものイルミさんですね』
「あっそう」
『はは…本当になんだったんですかあの可愛らしさ』
周りを振りまわす、七変化の殺人鬼。まさか自分がゾルディック家の長男とこんなに関わるようになるとは思わなかったな
『じゃあ、お祭りは先ですし予定は後日立てるとして。私行きますね。後輩達が待っていると思うので』
「え、もう行くの?」
一歩踏み出そうとした瞬間に、思いっきり服の袖を掴まれる。
『行こうかと思ったんですけど……え、』
イルミさんの方を見て思わず動きを止める。
艶やかに流れる黒髪に隠れるように。先程はその青白さに心配までした顔色が、わずかに紅潮していた
「あのさ、A。月が綺麗だと思わない?」
思いがけない言葉。メジャーな言葉遊びなら、さすがの私にも分かった。有名すぎるフレーズを流し目で呟かれて意識しない人間がいるのだろうか
『そ、そうですね…』
きっと、私の顔はイルミさんよりひどく紅潮しているはずだった
___
『もういっそ皆でお祭り行こう。手当たり次第に巻き込もう。とりあえずレオリオから…』
「おい!!」
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shela(プロフ) - はにゃ?さん» コメントありがとうございます!読みやすさ重視で頑張っていたのでとても嬉しいです〜応援ありがとうございます、これからも頑張ります!! (2023年2月10日 18時) (レス) id: 9d22579331 (このIDを非表示/違反報告)
はにゃ? - とても読みやすいです。これからも応援してます。 (2023年2月10日 8時) (レス) id: ef6fdebb20 (このIDを非表示/違反報告)
shela(プロフ) - アクアクさん» コメントありがとうございます〜!読者様の求めている作品に一致しているだなんて、本当に光栄です!!必ず続きを書きますので、これからも社畜少女にお付き合いいただければ嬉しいです!作品を読んでいただき、ありがとうございました! (2023年1月4日 17時) (レス) id: 9d22579331 (このIDを非表示/違反報告)
アクアク(プロフ) - これぞ私が求めていた作品そのもの!!続き待ってます!!!! (2023年1月4日 8時) (レス) @page45 id: 2730d44706 (このIDを非表示/違反報告)
shela(プロフ) - レーナさん» 読んでくださって、そしてコメントまでありがとうございます!お褒めのお言葉いただき嬉しいです!嬉しすぎますっ!!ネタやテンポ、力を入れているところなのでそう言ってもらえて本当にもう…!お気遣いありがとうございます、これからも頑張りますっ! (2022年4月2日 8時) (レス) id: 9d22579331 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:shela | 作成日時:2021年12月28日 19時