高揚 ページ11
「では、倉橋とA先輩はこれにて帰らせていただきます〜」
『みんなお疲れ様ー』
19時。手際良く仕事を終わらせた倉橋ちゃんと私は、鞄を取って帰り支度をしているところだ。
「なんだ、お前ら二人でどっか行くのか？」
「秘密の女子会でーす。お疲れ様でした〜」
扉に向かってサッサと歩いていく倉橋ちゃん。
後に続こうとしたとき、ふとブラックモードで仕事をする田所くんが目に入った
『大丈夫？田所。どっか具合悪いの？』
「今日も倉橋さんは僕のことガン無視ですよ。なんなんですか、A先輩なんて…」
うわ、だめだこれ。完全にいじけちゃってるじゃん
『田所、安心して。私は君の味方だよ。今日の飲みで絶対に距離近づけてやるって！』
田所のデスクに近づいて囁くと、ハイライトの入っていない瞳を向けられる
「ありがとうございます……」
『もう少しの辛抱だって、倉橋ちゃんああ見えて恥ずかしがり屋なのよ。嫌いな人に対しては無視どころかすっごい愛想良いんだから』
「A先輩ー！はーやーくー」
『ほら田所君、頑張りなね！』
田所の背中を叩いて倉橋ちゃんの方へ向かう。
全く、恋する草食系男子ってのも大変だな。
『さあ行くかー。お、あれは』
エレベーターホールへ向かって倉橋ちゃんと歩いていると、連絡通路の方からフランちゃんが姿を現した。
「シェリー、A先輩！」
「もう、フランちゃん。その呼び方やめてって言ったじゃないですか〜」
倉橋ちゃんの名前だ。見た目がジャポン人寄りだから外国風なのが嫌らしいけど…そういえば社内で倉橋ちゃんのことを下の名前で呼ぶのはフランちゃんだけだったな。
「Красивый、とても綺麗な名前」
『確かにねー。良く似合ってるよ』
容姿端麗。強かで賢い子なのに、どこか儚い。艶やかな魅力を持った倉橋ちゃんにぴったりだ
「好きじゃないんですよ、なんか言い表せないですけど。それよりもさあ、遊覧飛行船乗り場まで急ぎますよ！」
倉橋ちゃんの言葉に、腕時計を見る。飛行船は20時出航だったな
「Bar…お酒を飲むお店は初めてなので楽しみです」
『あら、そうなんだ。多分倉橋ちゃんなんかは行き慣れてるよ』
「ちょっと、私成人したばかりですよ」
エレベーターを降りて受付にICカードを手渡す。
空港へ向かう私達の影が長くのびていた
—
『と、いう私も行ったことないんだけどね。大丈夫かな、無駄に酒場の知識が入ってるから…』
「暴れないでくださいね」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 205人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
shela(プロフ) - はにゃ？さん» コメントありがとうございます！読みやすさ重視で頑張っていたのでとても嬉しいです〜応援ありがとうございます、これからも頑張ります！！ (2023年2月10日 18時) (
レス) id: 9d22579331 (このIDを非表示/違反報告)
はにゃ？ - とても読みやすいです。これからも応援してます。 (2023年2月10日 8時) (レス) id: ef6fdebb20 (このIDを非表示/違反報告)
shela(プロフ) - アクアクさん» コメントありがとうございます〜！読者様の求めている作品に一致しているだなんて、本当に光栄です！！必ず続きを書きますので、これからも社畜少女にお付き合いいただければ嬉しいです！作品を読んでいただき、ありがとうございました！ (2023年1月4日 17時) (レス) id: 9d22579331 (このIDを非表示/違反報告)
アクアク(プロフ) - これぞ私が求めていた作品そのもの！！続き待ってます!!!! (2023年1月4日 8時) (レス) @page45 id: 2730d44706 (このIDを非表示/違反報告)
shela(プロフ) - レーナさん» 読んでくださって、そしてコメントまでありがとうございます！お褒めのお言葉いただき嬉しいです！嬉しすぎますっ！！ネタやテンポ、力を入れているところなのでそう言ってもらえて本当にもう…！お気遣いありがとうございます、これからも頑張りますっ！ (2022年4月2日 8時) (レス) id: 9d22579331 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：shela | 作成日時：2021年12月28日 19時
