向き合う ページ6
「私ね、スパーを飛行船から連れてきて控え室に寝かせてたの。あの子がそっちの方が良いと言ったから」
あ、そうなんだ。メンチさんが様子を見に行ってくれてたなんて……
廊下を進みながらメンチさんの話は続く
「後から詳しく話すけど、それで試合に戻ったその時が調度キルアが相手だったポックルとの試合を放棄した時。試合はそれまでまあまあ順調に進んでいたのだけどね。レオリオが前の試合で負傷したボドロを気遣って開始を延長した代わりに行われた次の試合で、301番のギタラクルが、イルミというキルアの兄だという事実が発覚したの」
やっぱり対戦したんだ。キルアが試合を放棄するイルミさんの読みは当たっていた
「イルミの威圧にキルアは耐えきれなかった。色々言われてたわね。ゴンは友達じゃないとかなんとか。」
『、、、』
言えない。ブラコン属性で爆発する可能性があるの知ってましたなんて言えない
「結果、キルアは試合に負けた。そして、次にレオリオとの試合を控えていたボドロを殺してしまった。そう、今がこの状況。彼を追放する前に、貴女の力が必要よ」
『!?……分かりました』
メンチさんが会場の扉前で立ち止まる
メンチさんが言いたいことは伝わった
会場のドアが開かれて真っ先に感じる血生臭さ
中央に転がる老人の死体の横に、キルアが立っていた
近づくと、焦点の合わない瞳でこちらを見上げてくる
『キルア、色々複雑だと思うけどね』
私は、覚えている。最終試験が始まる前、高齢のボドロさんは若い私達に遠慮していた
決して死んでいい人ではなかった
『ハンター試験に来てるからとかじゃなくて、どんな人にも、待ってる人がいる事を忘れちゃ駄目……』
父さんが帰ってこなかったあの日、幼いながらも本当は分かっていた
感情に、救護室で治まっていた獣化が再び反応をする
『私、普通の社会人で、一般人だから。だからごめんね、キルアと考え合わないかもしれない』
うつむいた顔の表情は反応が見れない
『大丈夫。私、軽蔑してる訳じゃない。そうじゃないから、』
どうか心の隅に置いておいてほしい。暗殺業を営むイルミさんの弟だ。運命は逃れられないのかもしれないけど、人間を殺すことに何も覚えないような、そんな大人になるのは、、
震える私の横を、人形のように生気が見られないキルアがただ通過していった
 ̄
『どうしよう、私までブラックモード突入しそう』
「安心しな、あたしが受け止めるよ」
『おばあちゃん……』
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shela(プロフ) - 狐海さん» こんばんは、この不定期過ぎる更新のなか、待っていただき、そしてコメントまでいただき…本当にありがとうございます!正直、この小説を読んでくださっていた読者の皆さんが今も待ってくれているのか不安でした。とてもとても嬉しいです!感謝です!頑張りますね! (2021年12月27日 22時) (レス) @page22 id: 7563e3b788 (このIDを非表示/違反報告)
狐海(プロフ) - こんばんわ、更新お待ちしておりました…!語彙力無くなるほど嬉しかったです…勢いのあまり最初から読み返してしまいました!!大好きです! (2021年12月27日 19時) (レス) id: ce22822f8d (このIDを非表示/違反報告)
shela(プロフ) - Amaneko*さん» 暖かいお言葉、本当にありがとうございます…!女神様…!すごく嬉しくて、感動が止まりません!なかなか更新できなくて申し訳ないです…楽しんでいただけるような小説を書けるように全力で頑張りますので、これからもよろしくお願いします! (2021年4月24日 19時) (レス) id: 4707b9ae72 (このIDを非表示/違反報告)
shela(プロフ) - まるめがねさん» 返信遅くなってしまい、本当にごめんなさいっコメントありがとうございます!すごく嬉しいです〜ありがとうございます。スローペースになってしまい申し訳ないです…全力で更新頑張りますのでこれからもよろしくお願いします! (2021年4月24日 17時) (レス) id: 4707b9ae72 (このIDを非表示/違反報告)
Amaneko* - 拙い文章で日本語が可笑しくなっていたらすみません。長文失礼しました。 (2021年4月20日 18時) (レス) id: 56cf223618 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:shela | 作成日時:2019年7月16日 0時