雪唄【風丸一郎太】 (ページ4)

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4：輪の中にページ4

あまり人との関わりがないとは言え木野や大谷とは仲良くなったようだった。けどそんな2人でも知らないことはあった。

前の中学はどこなのか、入部していた部活のことや前の中学での出来事については知らなかった。理由は彼女が話してくれなかったようだ。いつも聞くと渋った顔をするようだった。あまり良い思い出ではなかったのだろうか…そう認識して2人も聞くことは無かったそうだ。

「マネージャーも誘ってみても少し顔を顰めるの…。」

と木野は前に言っていた。

今日もお昼休みに屋上へ向かった。

「今日は歌ってないんだな。」

「そんないつも歌ってるわけじゃないですよ。」

「そうなんだな。」

2人で話していると

「やっぱりいた！！」

「屋上だったのね！！」

円堂や木野たちサッカー部のメンバーだった。

「秋ちゃん円堂さん…。」

「お昼食べないの？」

「どうせならみんなで食べようぜ！！」

「どうする風丸？」

「悪くないんじゃないか？なぁ雅。」

「うん…そうですね…。じゃあお言葉に甘えて…。」

あまりノリ気じゃないような雅の返事。大人数で食べるのはあまり好きじゃないのか？

「雅？」

「え？」

「どうかしたのか？」

「ううん…何でも…。」

何かを気にしているのか？

「何か気になるのか？」

「ううん…みんなホントに仲良いんだな…って思っただけですよ。」

「否定はできないな。確かに俺たちみんな仲良いよ。と言うか騒がしくてごめんな？もう少し静かに食べたいよな。」

「大丈夫です。聞いてるだけでも凄く楽しいです。」

「そっか…それなら良かった。」

昼休みが終わる前にみんなで教室に戻った。