雪唄【風丸一郎太】 (ページ24)

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24：冬に響く雪鈴の音ページ24

「風丸…。」

「どうした鬼道…。」

「お前はAに告白しないのか？」

「は？」

「好きなんだから言ったらどうだ？」

「なんでわざわざ砕けに行かなきゃならないんだよ…。笑うつもりか？」

「いや…そうじゃない…。」

試合当日のことだった…突然鬼道が雅に告白しろと言ってきたのだ。何故だろうか…彼氏がそう言うと言うことは…

「告白して雅を諦めてくれ…てか？残酷すぎんだろ…そんなだっけ…お前…。」

「真意は…話せないけど…確信を得るためだ。俺の方も…な。」

「はぁ…。」

それから円堂が呼びに来てアップする時間となってしまった。何故あんなことを言ったのだろうか…不思議でしょうがなかった。

試合のホイッスルがなり優勢だった俺たちだが、後半の相手の猛攻で苦戦…1点を許してしまった。諦めてはいないけど…疲労が重なり厳しくなってきた…その時だった…

「が…がんばれ！！！勝つって約束したでしょ！！勝って佐久間くんたちと戦うって…言ってたじゃん！！勝て！！」

雪のようなふわっとけど凛とした鈴のような声が聞こえた。

それは今まで聞いたことのなかった雅の大きな声だった。叫び声だった。

「雅…。」

「A…。」

「雅さん！！」

「Aちゃん！！」

みんなびっくりだった。そりゃあびっくりするけど…でも…。

「そうだ！！行くぞ！！」

雅の鼓舞で意識が変わりピリッとした気がした。