雪唄【風丸一郎太】 (ページ2)

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2：歌声の持ち主ページ2

円堂、鬼道、俺と豪炎寺で今日の部活や何気ない事を駄弁をしていた。普段と変わらない何時も通りの日常に転校生がやってきた…それくらいの変化しかなかった。

「鬼道どうかしたか？」

「ん？いや…なんでもない。気にしないでくれ。」

「そうか？んーまぁ何かあったら俺たちに言えよ！！鬼道。」

「あぁ…。」

転校生の雅さんはあまり誰とも関わろうとしなかった。それどころか休み時間の耽美にいなくなる。どこへ向かっているのだろうか…。

そして昼休み…

俺は気になって後を追っかけてみた。彼女は足早に行くため俺も人に当たらないように行くのに必死で、ついて行くのが大変だった。

そして彼女が向かったのは…

「屋上…？」

そして屋上から綺麗な歌声が聞こえる。

“その翼に乗せた思いは何処に行った?

きっと今すぐには出ない答えでしょ?

貴方に伝えたいことなの…

けどね、私は弱虫なの…”

屋上に出るけど誰もいない。まさか幽霊？でもそんな七不思議聞いたことがない。俺の幻聴？なら凄いと思う。

“届かなくても伝えるよ

それが私の満足でも良いから

好きだと言わせてよ”

掠れて…小さな声でそう歌っていた。

「けど…聞いたことある歌…。」

最近聞いた曲だ。けど、思い出せない。

そしてまた別の曲が聞こえる…それは、上からだった…。

「あ…。」

そこには伸び伸びと楽しそうに歌う転校生の雅Aだった…。

「綺麗…。」

「え？」

俺の声はどうやら彼女に届いてしまったようだ。