27：告白 ページ27
俺は2度と作ることはない最後のお菓子を持って部屋に向かった。
お嬢様が最後に口にする俺のお菓子…。
お嬢様の大好きな…
爽やかな…甘酸っぱい…
俺とお嬢様の初恋の味がする…
レモンパイを持って俺はお嬢様の部屋の戸をノックした。
「失礼いたします。」
「赤羽…。なんでお前が…。」
びっくりするお嬢様。
「私はアンタに部屋に入る許可あげていない。
それどころか部屋入ってくるなって言ったわよね。」
「それは…。でも、俺は今日が最後の仕事になるんです。最後の仕事くらい…やらせていただきたいんです…。」
「そ…。」
「俺が作る最後の仕事で最後のお菓子です…。
最後のレモンパイです…。」
2度と作ることはない…
2度とお嬢様が食べることのないレモンパイ。
想いを込めた俺の精一杯の…
最初で最後になるレモンパイ。
「おそらく…いや…絶対に最後になるレモンパイです。2度と食べることのない味のレモンパイです。
この場をお借りして言わせていただきます。
今言うと嘘だと思うかもしれません…。」
こちらを不思議そうに見つめているお嬢様。
これから自分が告白されるとも…
真実を知ることも…
知らずに…。
「お嬢様が十数年前に出会ったお菓子を作ってくれる紅い男の子…赤髪くんは俺のことです。あの時のお嬢様が最後に食べたカラメルソースのかかったカスタードプリンは俺が作りました。あの味が作れたのは俺がその時の赤髪くんだからです。」
目を見開き驚いている。
「俺は貴方が好きでした。
大好きでした。
愛してました。
愛おしいかったです。」
貴方がいなくなっても…
「貴方がいなくなってしまった後も…
貴方に食べてもらえるように…
嬉しそうに食べる顔を見たくて…
たくさん作っていました。」
泣いていた。
お嬢様も…
俺も…。
「今も昔も貴方が好きです…
大好きです…
愛してます…。
レモンパイ…最後に…つく…れて…
嬉しかったです…。
2度と作ることはない…食べることのないレモンパイです。
お嬢様に最後作れて…俺はとても嬉しいです…。
本気で作りました。
そのレモンパイには…
俺の精一杯の…。」
告白は…
言葉がつまってしまう…。
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非リア充様 - 夢主がカルマ君大好きっ子の素直ちゃんなお話しが読みたいです！もちろんカルマ君落ち小説で！ (2016年8月13日 15時) (
レス) id: fafd364510 (このIDを非表示/違反報告)
非リア充様 - こういう小説好きです！切ない感じが最高です！ (2016年8月10日 16時) (レス) id: fafd364510 (このIDを非表示/違反報告)
けちゃっぷ(プロフ) - ヴッ；；； 凄く切ないですね…！ 更新楽しみにしてますノシ (2016年8月10日 13時) (レス) id: 3f6a0e222e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：中二半の彼女は霜月さん
| 作成日時：2016年8月8日 9時
