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「……どいて」
『っ、びっくりした』
翌朝。右手は使えないからとりあえず珈琲でも煎れようと片手でインスタントコーヒーの入れ物をごそごそとやっていたら、後ろから背後から声がした。
その声に振り返ったら寝癖のついた頭を掻きながら、眠そうな目をこちらに向けていた渡辺さんと目が合う。
…え、なんで渡辺さんがこんな時間に起きてるの？
『あれ、今日は早いんですね』
「……なんか寝れなかった」
なるほど、珍しいこともあるものだ。
彼はそのままのそのそとキッチンに入ってくると冷蔵庫からペットボトルを取り出して飲み始めた。
「なに」
『え？』
その様子を見ていたら、ちらりとこちらを向いた瞳。
ふわふわと浮いている寝癖がすごくて笑ってしまいそうになるけど、目の前の人から漂うオーラを見るにいまは笑うべきではなさそうだ。
「なんか用？」
『いや、特には』
「あっそ」
うわー、今日すっごい機嫌悪いじゃんこの人。
ごくごくと水を喉に通していく彼は、どうやら寝不足でかなり機嫌が悪いらしい。
私はこれ以上文句を言われたら困ると彼から視線を外して、先ほど開けようとしていたコーヒーの蓋開けに再挑戦する。
……ん、開かない。
誰だ、前に使った人は。さすがに固く絞めすぎじゃない？
不自由な左手では手が滑ってしまってうまく開けられなくて、ぐずぐずと手こずっていたら「おまえなにやってんの？」と渡辺さんが私の手元を覗き込んだ。
「開かねーの？」
『昨日手首怪我しちゃったから右手使えなくて』
「は、先に言えよ」
彼は貸して、と私の手から容器を取ると容易くそれを開けて私の手に戻した。
『…ありがとうございます』
「別に。てか、なにしたらそんなことになったわけ？」
右手に巻かれた白い包帯を見て、彼が不思議そうに首を傾げた。
その質問に昨日のことを軽く話せば、「あーなるほど、それで電球がどうのこうのって聞きに来たわけ」と納得したような声を出す。
「大丈夫なの、それ」
『え？』
「右手、使いもんになんねーんだろ？仕事とかどうすんの」
『締め切りを少し遅らせてもらうようにしたんで一応は大丈夫です』
お兄ちゃんのこともあったし、ほんとうは仕事をいっぱいやって気をそらそうと思ってたのだけど、まぁしょうがない。
いまは大人しくしとけってことなんだろう。
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こゆき(プロフ) - 彩花さん» 気がつきませんでした…！教えてくださってありがとうございます！とても助かりました…！！ (2020年12月23日 0時) (
レス) id: 7e9ebf3478 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - れいさん» ありがとうございます…！これからも楽しんでいただけるように更新頑張ろうと思います…！ (2020年12月23日 0時) (レス) id: 7e9ebf3478 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - べぺさん» コメントくださっていたのに気づかなくてごめんなさい…！待っていてくださる方がいるというお言葉で、更新頑張れそうです！ありがとうございます…！ (2020年12月23日 0時) (レス) id: 7e9ebf3478 (このIDを非表示/違反報告)
彩花(プロフ) - 何度もすみません！今日もう一度読み返してたら13ページ目のタイミングがタイミグになってました、！余計なお世話だったらすみません！ (2020年12月22日 14時) (レス) id: 7fda05ffd5 (このIDを非表示/違反報告)
れい - なんとなーく更新待ってました…！再開してくれて本当に嬉しいです！これからも楽しんでいきます！！ (2020年12月4日 1時) (レス) id: c0a052e646 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こゆき
| 作成日時：2020年7月28日 15時
