しぇあはうすの住人。2

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夜ご飯を食べた後、蓮には買い物とかあるからって適当に嘘をついて最寄り駅の前で降ろしてもらった。


なんとなく、お兄ちゃんもそうだけど蓮にもあのシェアハウスの場所とかは知られたくなかったから。

私が勝手にそう思ってるだけだけど、あそこはあの家から出て見つけた私にとっての新しい居場所みたいなものだから、なるべくなら踏み込まれたくない。



『送ってくれてありがと。』
目「本当にここでいいの？」

『うん。大丈夫』
目「帰り、気を付けろよ」



いつも優しいけど、今日は格段に優しかった従兄弟にひらひらと手を振って別れた私は、

もうすっかり慣れてしまった道を、蓮がさっき言ってた通り泣きすぎてちょっと痛み始めた頭で歩く。



まあでも、頭は痛くなってきたけど、目の腫れはさっきお店で冷やしたからだいぶマシになった。

いつもより二重の幅が狭いけど、見られてもちょっと腫れてるかな？くらいのレベルでそんなに気にならないくらいにまでは引いたと思う。



まもなく10時を迎えようというこの街は、駅前の大通りを抜けてしまえばわりと静かで、道沿いのコンビニの明かりだけが煌々とついている。



…なんか甘いものでも買ってこうかな。

泣いたり辛いことがあった後は甘いものが食べたくなる、これは昔から。



思い立ったら行動の私は、一旦シェアハウスへ向けていた足をくるっと回転させて、明かりの漏れるコンビニへと方向転換した。



陽気な入店音を鳴らして開いた自動ドア。開いた口から一気に冷風を感じて、少し身震いする。



そういやここのコンビニのスイーツ、この前テレビでどれが一番おいしいかランキングつける番組やってたな。あの審査員のおじさん、何が美味しいって言ってたっけ。

プリンだっけ？いや、なんとかパフェってやつも美味しいって言ってたような。……まあいいや、今日はプリンにしよう。


デザートコーナーでプリンかパフェかの厳正な選抜の末、見事選ばれたプリンを片手に持ってレジに持っていこうとしたところでーーー。






「あ、袋いらないです。」





ちょうど私の前でお会計をしている、見知った後ろ姿を見つけた。



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