しぇあはうすの住人。

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佐「2人きりになっちゃったねー、」


なにやら大きな袋を両手に抱えた佐久間さんと合流してすぐ、ちょっと俺らタバコ吸ってくるわーと消えていった深澤さんと渡辺さん。

深澤さんは知ってたけど、渡辺さんも吸うんだなんて思ってたら、エスカレーター近くのベンチに腰掛けた佐久間さんがそう言って、にっこり私に笑顔を向けた。



『なに買ったんですか？』
佐「んーとね、新しいグッズと、あと俺のちょー好きなアニメのDVD！」

『なんてやつですか？』
佐「これ！」


佐久間さんが袋の中からごそごそとDVDを取り出す。
あ、これ、なんか聞いたことある。



佐「もうね、すっごい好きなの。リアルタイムで見てたんだけどもう一回見たくなったから買ってきたんだー」
『私このアニメの名前聞いたことあります、』

佐「ほんと！？見てみる？」
『良いんですか？』
佐「うん！もちろん！てか見てほしい、まじで面白いから！」


目をキラキラ輝かせ始めた佐久間さんに、「見たいです」と答えれば彼はどんどんハイテンションになっていく。


実は私もアニメとかは結構観る。デザインとか色使いの参考になるから。




佐「じゃあ今度一緒に観よ！！」


金色のふわふわした髪を揺らして人懐っこい笑顔を浮かべる彼は、やっぱり一緒にいて心地が良い。


足を伸ばしてブラブラと揺らしながら、「じゃああれも一緒に観たいな。恋愛モノなんだけどねー、ストーリーがすっげぇ良くて」と楽しそうに話し出す姿は、やっぱりとても歳上には思えない。


くりくりした瞳とか、ふにゃりと垂れた目尻とか。かっこいいというよりは可愛い人だな、と思いながら自然と緩んだ頬に、佐久間さんは「あれ、俺またヒートアップしちゃってた。ごめんね、」と照れたように頭を掻いた。




佐「ねぇAちゃん、甘いもの食べたくない？」


通り過ぎていく人の波を眺めていたら、佐久間さんがそう言って突然立ち上がる。

彼の視線の先に見えるカラフルな看板の可愛らしいお店は、有名なアイスクリーム店。夏だし、アイス食べない？と可愛らしく言われて、私は素早くうなずいた。アイス！そりゃもちろん食べたい。



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