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………渡辺さんが私の料理食べてる。
深澤さんによればかなりの偏食だという彼が、特に文句も言うことなく食べてくれるのは作った側からしたら結構嬉しいものだ。
じぃっと彼を見ながら少し感動していれば、佐久間さんがそんな私を見てふふっと笑った。
佐「Aちゃん、嬉しそうだね。」
『え？』
佐「わかるよ、俺なんかもっと今びっくりしてるから。翔太がこんなふうに食べてるのなんか涼太がいなくなってからはなかったなぁ。」
……涼太？
佐久間さんの言葉に首を傾げれば、「あ、涼太っていうのはね、」と続ける。
佐「Aちゃんが来る前にここに住んでたやつでさ、料理がうまい翔太の幼馴染みのことなんなけど。」
『幼馴染み、ですか？』
佐「そーそー。幼稚園から一緒だったんだっけ？まあとにかく、そいつが出て行ってからはあんまりちゃんと食べてなかったからさー。」
深澤さんも言ってたな、前の住人の人は料理が出来る人だったって。
キッチンに道具が揃ってたのもその人のおかげなんだろう。
『その方はなんで出て行かれたんですか？』
佐「結婚したんだ！」
『結婚、なるほど、』
佐「あれ、相手って確か翔太の「…佐久間。」
佐久間さんの言葉を渡辺さんが遮る。なんだかピリッとした空気が流れて、彼は「あいつの話はもういいだろ、」と眉を寄せた。
……あれ、なんか触れちゃいけない話だったんだろうか。
急に訪れた不穏な空気にどうしていいかわからず視線をふらふらさせていると、「お前、」と渡辺さんの視線が私に向く。
渡「もう痛くねーの、そこ。」
彼が見つめるのは私の額。
朝ドアにぶつけた部分はまだほんの少し赤みが残ってるのは、さっき鏡で見た。
『あぁ、もう大丈夫です。』
渡「……悪かったな、」
突然の謝罪に、私だけじゃなくて佐久間さんまで目を見開いた。…え、何どうしたの急に。
渡「なに。」
佐「え、ちょっと今日翔太どうしたの？」
渡「は？なにが？」
佐「おかしーじゃん、なんか変！」
フルフルと渡辺さんの肩をつかんで揺らす佐久間さんに、彼は「別に変じゃねーよ」と笑い声を零す。
佐「ねぇもしかしてAちゃん翔太のご飯になんか入れたんじゃ、」
『なにもいれてないです笑』
佐「でもおかしくない！？」
渡「うるせーな、なんもないわ！」
そう佐久間さんに無邪気な笑顔を見せる渡辺さんと私の心の距離は、
なんだか少しずつだけど縮まっていってるような気がしてたんだ。
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こゆき(プロフ) - なべふかさん» コメントありがとうございます…！！そのように言っていただけて本当に嬉しいです泣 今後もよろしくお願いします！！体調、気を付けます！ (2020年7月19日 23時) (
レス) id: e5c6dc30ce (このIDを非表示/違反報告)
なべふか - コメント失礼します!!新しいStoryも素敵です＊こゆきさんの言葉使いと言うんですかね…他には無い表現が読んでいて楽しいです、今後も更新頑張って下さい!くれぐれも体調には気を付けて下さい^^ (2020年7月18日 17時) (レス) id: 2b33477f89 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - まみさん» ありがとうございます…！！一応なんとなくのオチは決めてるんですけど、まだ迷ってるのでどうなるか楽しみにしていただけたら嬉しいです！！大人な深澤さん、わかりました…！たくさん盛り込みますね！今後もよろしくお願いします…！ (2020年7月18日 13時) (レス) id: e5c6dc30ce (このIDを非表示/違反報告)
まみ(プロフ) - このしぇあはうす楽しすぎます！！全員良すぎて1人に絞れません泣。しかし深澤担としては、からかってくる大人な深澤さんが更に見たいです！しかしツンなしょっぴーもかわいいさっくんも非常に上手いです！！流石です！！更新楽しみにしてます！ (2020年7月17日 22時) (レス) id: 5ad6cf8e80 (このIDを非表示/違反報告)
こゆき(プロフ) - (名前)ひなさん» コメント嬉しいです…！！私もちょっと悪な感じな翔太くんが好きなもんで笑 ありがとうございます、楽しんでいただけるよう更新頑張ります…！！ (2020年7月3日 16時) (レス) id: e5c6dc30ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こゆき
| 作成日時：2020年6月22日 21時
