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9曲目 ページ10
小鳥たちが起きる頃、黒猫はパチリと目が覚めた。
そして、あることに気がついた。
冷たいのだ。
パルファンの手が、腕が、身体が氷のように冷たいのだ。
顔を舐めても、揺すっても、引っ掻いても、パルファンは動かない。
そう、パルファンは死んでいた。
まるでぐっすりと眠っているかのように。
しばらくぼーっとしていた黒猫は、彼の腕の中から這い出した。
そして、彼の顔のそばに1輪の花を置き、彼の頬をもう1度舐めた。
黒猫なりの、パルファンへの最期のあいさつだった。
幸い玄関の鍵は、ぎりぎりジャンプして届く位置にあった。
なんとか鍵を開け、そっと扉を体で押してパルファンの家を出た。
次の目的地は決まっていた。
パルファンの出身地『雲の村、ニュアージュ』だ。
黒猫は振り返って、もう1度パルファンの家を見た。
そして、冥福を祈るかのように頭をたれてしばらくの間じっとしていた。
それから黒猫は、また目の前の道を歩み始めた。
続く (更新停止中)
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作者名：ほしみあ | 作成日時：2016年5月28日 23時
