猫と邪神と舞踏会 (ページ8)

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7曲目ページ8

｢う、ぁあ、っく、｣

涙が頬を伝い、テーブルに落ちる。
しかしそれを気にせずに泣き続ける。

｢なんで、なんで僕ばっかり！！！！！｣

拳でドンッとテーブルを叩きつけ、パンがはねる。
怒りが鎮まる気配はない。
このままではいけないと、黒猫はパルファンのそばに歩み寄った。

｢僕なにか悪いことでもしたかなぁ。｣

こちらを見るパルファンの顔はぞっとするような笑みを浮かべていた。
目は笑っておらず、この世に絶望したかのように目に光がなかった。
身に危険を感じた黒猫はパルファンの足を引っ掻いた。

｢痛っ！｣

パルファンは黒猫に怒鳴ろうとしたが、その時壁にかかっていた鏡の中の自分を見て動きを止めた。
パルファンの顔は、怒りと憎しみで歪んでいた。
そう、あの邪神のように。

｢あ、あぁ、｣

パルファンが震えている。

｢そうだ、僕にかけられた呪いは...｣

“憎しみの中で生きること”

その瞬間パルファンは崩れ落ちるように床に膝をついた。
そしてまた、目から涙がこぼれ落ちる。

｢あぁ、ごめんなさい。
本当に...ごめんなさい。｣

なぜ、そして誰に謝っているのかは、黒猫には分からなかった。
それから数十分間、黒猫の世界は彼の嗚咽で満たされた。

パルファンが泣きやむ頃、辺りは真っ暗になっていて、当然ご飯は冷たくなっていた。

｢あーあ、ご飯冷めちゃったよ。もう１回温めてくるね。｣

そう言ってパルファンはキッチンに入っていった。
また彼の嗚咽が聞こえてきたが、戻ってくる頃にはすっきりとした顔になっていた。