春色に染めて.

あの日あの時 < 1 > #川端慎吾 ページ22

．




父の仕事の影響で東京から大阪に転校することになった。





“きっとすぐ仲良くなれるよね”




そう思ってた。






だけど、





何を言っても無視される。



ペアを組む人がいない。







女子の間でハブられて。






学校なんて楽しくない。


そう思っていた10月の出来事。



．





今日もまた学校があって、


案の定、私と一緒にいる人がいなかった。


.





5時限目の体育。





今日は野球だった。



大好きな野球なのに。



〈まずは、ペアになってキャッチボールからな〜。 そこから試合に入るで〜。〉



ペア……か。


また組む人がいない、と思っていた時。






「なあ、一緒にやるか？」


「お前、やる相手おらへんのやろ？」






声のした方向に向くと。


同じクラスの男子が立っていた。



あんまり、仲良くない…


というか話したこともないのに…



なんでだろ。





『いいの…？ 私と一緒にやったら、良い印象持たれなくなっちゃうよ？』




「ほんなんええやん。個人の勝手や。


…なにボケっと突っ立っとんねん。はやく始めるで？」





あの時声をかけてくれなかったら。


このままどうなってたんだろう。


助けてくれた、あの人がいなかったら_______





__________



川端慎吾でした。




るるか様、リクエストありがとうございます！


遅くなってしまい申し訳ありませんでした…！

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