春色に染めて.

春？ < 4 > #片岡治大 ページ16

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コンビニを出たら、急に雨が降ってきて。





「どこ、行ってたんですか？」


『どこも行ってないよ〜』


「なにしてたんですか？」


『ふーーーらふらしてた。』





買ったお酒を公園で飲んで。


やす、が小声で言った。









「俺ん家来ますか？」









”俺”、だって。


あの時は”僕”だったのに、一人称。


あーあ、また記憶を引っ張り出してきた。





『他の女の子もそうやって誘ってるの？



もう慣れた？ そのセリフ言うの』







貴方に ”大好き” なんて伝わらないから、

もう投げやりで。





雨脚が強くなる一方だった。





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片岡side





貴女の前では成長した姿を見せたい。




だから、”俺”にした。


少しでもかっこよく魅せたくて。






『他の女の子もそうやって誘ってるの？



もう慣れた？ そのセリフ言うの』





他の女なんて家に上がらせないよ。


Aさんは特別だから。




だけど、こんなこと言っても今更無駄だろうから。




「ええ、おかげさまで。



早く、ついてきてください、」




荒々しく華奢な手首を掴む。


大雨の中をダッシュで駆け抜ける。






こんな感情、Aさんにしか芽生えないし。




君と一緒に、春の陽射しを浴びたいし。






こんな大雨も


明日には晴れてるって信じて______





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片岡治大でした。

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