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ガサッ…ガサッ…
新月の闇夜の中
シガンシナ区に向け、調査兵団一行は歩みを進めていた。
＿＿＿＿何か怖いな
敵が待ち構えていると分かっているから？
エルヴィンが手負いだから？
急に暗がりから巨人が襲って来るかもしれないから？
夢が叶うまでもう少しだから？
＿＿＿＿分からない
分からないけど闇夜に連れ去られてしまいそう。
そして微かに聞こえてきた川の音
「僕たち…帰ってきたんだ…あの日…ここから逃げて以来…僕たちの故郷に＿＿」
アルミンの言葉を聞いてエルヴィンを見上げた。
「懐かしいね…シガンシナ区突破の報を受けてこの道をみんなと馬で駆け抜けたのが、もう昔みたい。」
「あぁ…。ここで始まったな。」
目線の先にはウォール・マリアが見えてきていた。
ドドドドドドドドド
夜が明け総勢100人の兵士が一気にシガンシナ区へ向け馬を走らせた。
「日が昇ってきたぞ！！物陰に潜む巨人に警戒せよ！！これより作戦を開始する！！各員立体機動に移れ！！」
エルヴィンの号令により全員が立体機動に移った。
二人で夢を叶えると決めた。
なら命を張ってでもエルヴィンを守る＿＿＿＿
立体機動でウォール・マリア壁上に並んで立った。
眼下ではフードで顔を隠した兵士達が外門を目指し進んでいる。
シガンシナ区に目を向けるとあの時のまま。
崩れていく建物…
逃げ惑う人々…
戦い続けた兵士…
陥落の時と風景が重なった。
「エルヴィン。あの時からシガンシナ区は変わっていないね。」
「あぁ。あの時もこの場所から町を見下ろしたな…。ここに来るまでにたくさんの犠牲を払った。捧げられた心臓はいくつだろうな…」
「そうね…それにもう…あの時のメンバーはほぼ残っていない。」
思い出すのは昔からの仲間。
死体すら見つかっていない仲間もたくさんいる。
「でも捧げられた心臓のお陰で今この場所にまた立つことができた。」
目線をエルヴィンに向けると彼も私を見ていた。
「彼らの分も戦おう。」
「うん」
私がコクリと頷いたのを見て彼が目線を奥に向けた。
後ろを振り返ると片手を上げているアルミン。
「でも…そう簡単には夢を叶えさせてくれないってことね…」
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サキ(プロフ) - はじめまして。最初は長編なので少しずつ読もうと思っていたのですがあまりに投稿者様の文才が素晴らしくて最後まで一気に読み切ってしまいました。いままで物語を読んでこんなに泣いたのは初めてです。そして完結お疲れ様でした。ありがとうございました、 (2020年9月26日 0時) (
レス) id: 18417183d4 (このIDを非表示/違反報告)
月夜(プロフ) - 最後まで読ませていただきました。最後までお互いを想う夢主とエルヴィンがかっこよかったです。めちゃくちゃ感動しました。二次小説でこんなに泣いたのは初めてです。ありがとうございました。 (2020年6月18日 17時) (レス) id: 8d864751da (このIDを非表示/違反報告)
サラミ - 最後まで読ませていただきました。最高です。泣きました。語彙力が無くなるぐらい素晴らしい小説でした。最期まで夢主を想うエルヴィンがほんっとにカッコよかったし素敵でした！感動をありがとうございました！ (2019年12月28日 21時) (レス) id: dd11928539 (このIDを非表示/違反報告)
MAO(プロフ) - ラストは、涙が出て止まりませんでした！感動する話でした。ありがとうございます！ (2019年11月15日 10時) (レス) id: 4d3a61d5d2 (このIDを非表示/違反報告)
にし(プロフ) - 完結お疲れ様です。ラストの方で号泣しました！ほんとに、小説でこんなに涙を流したのは久々です！素敵なお話をありがとうございました。 (2019年9月22日 23時) (レス) id: 42ce589bfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：じゅく子 | 作成日時：2019年8月20日 21時
