終-21 ページ21
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多喜川が素手で刃物をつかみ止めた。
多喜川「彼女を傷付けるのだけは、許さない…」
今日子「そうよねぇあなたが守ってあげなきゃね。
だってあの子の父親も母親も奪ったんだから！」
椿「どういう事だ、」
今日子「あの晩ひでゆきさんは来なかった。
怖気付いたのよ。ほんとに使えない男。
ねぇ、樹さんを殺したのは…」
喜多川は奪い返した刀を今日子に向ける
多喜川「そうですよ。僕が殺したんです。
想像したことあります？
あなたと父が逢瀬を重ねた結果、
父親を奪われた家族がどういう末路を迎えるか。
僕にとって光月庵は一家団欒の幸せの象徴…
そう思ってたのに…
父はどんどんのめり込んでいって、
頻繁にあなたの元に通うようになった。
その電話を母は聞いてしまったんだ。
母が自害した時まで、
父はあなたの元に行くなんて…
許せなかった。
殺すつもりじゃなかった。
2人が別れると、そう約束さえすれば
それで良かった。」
今日子「最初にあの包丁を見た時、
ひでゆきさんの犯行だと思った。
凶器の包丁はあの女と同じもの。
この店から追い出してやる、そう心に決めた。
あの女に殺人容疑がかけられ、全て思惑どおりと思ったのに。
犯人はひでゆきさんじゃなかった。
じゃあ誰…？
ずっと分からないまま
事件から15年が経って、
あなただったと気付いた。 」
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作者名：きにさんあひさん | 作成日時：2021年3月30日 4時
