終-14 ページ14
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Aはある病室に来ていた。
Aside
どうして…おじい様は私を…
A「お母様…」
多喜川「みーちゃった…」
A「多喜川…さん…」
多喜川「お母様は病死…って言ってなかったっけ？」
A「…どうして分かったんです？」
多喜川「いやぁ、Aちゃんの素性を見つけるのに苦労したよ。」
この人は、どんな手を使って…
A「……」
多喜川「このことバラされたくなかったら…
僕の手伝いをして。」
A「…？」
･
･
･
その夕方、花がすみでは。
A「いらっしゃい…！
祐介…」
祐介は一礼する。
A「栞さん…」
･
･
･
栞「私、椿さんとは何もないんです。」
A「え？」
栞「あの火事の時…
椿さんはAさんを助けに行こうとしていたんです。
椿さんはAさんを呼んでいました。」
A「でも、椿はおじい様を助けた後、道具を…」
栞「違うんです！
それは…女将さんなんです。
女将さんは、椿さんのためだと嘘をついたんです。」
祐介「椿さん。
火事の時の記憶を失っていたから、ずっと執着してきたあの道具を自分が守ったんだと疑わなかったんだ。」
栞「火事の後、おふたりが別れたって聞いて、
私思ったんです。
私にも希望があるかもって。
だったら私が見た事は隠し通そうと。
もっと早くに言うべきでした。
本当にごめんなさい。」
A「本当の事を知っていたとしても…
私には椿の隣は相応しくないんです…
もう…いいんです。」
祐介「除夜祭の勝負…どうするおつもりですか？」
A「私は…勝負しません。
私には光月庵を継ぐ資格なんてないから…」
祐介は一礼して、栞と店を出ていった。
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作者名：きにさんあひさん | 作成日時：2021年3月30日 4時
