story 17 ページ17
風磨「おはよ。」
A「！おはようございます。」
出かける準備をするためリビングを出ようとすると
階段を降りてきた菊池さんと鉢合わせる。
まだ眠そうなその顔は、少し可愛らしさを感じた。
風磨「今日何限から？」
A「二限です。」
風磨「お、じゃあ一緒に行くか。」
A「え…いいんですか？」
風磨「？うん、同じ大学なのに別で行く理由ないだろ。」
当たり前のようにそう言った菊池さんは
準備するぞ、と欠伸をしながらリビングをあとにする。
また、優しさを貰ってしまった。
これからも
こんな風に��当たり前��のように、私と接して欲しい
そんな贅沢な願いは
現実という名の箱に、静かに閉ざされた。
…
「「ご馳走様でした。」」
出かける準備をした後
私と菊池さんはリビングに戻り、テーブルに並べられた豪華な朝ごはんを頂いた。
味は見た目以上に美味しく
他愛のない話をしながらの食事は
私をまた幸せな気持ちにさせた。
風磨「ごめんな、洗い物手伝わせて。」
A「いえ、私から言ったんですから全然気にしないでください。」
食事の後は、ふたりで後片付け。
本当は私一人でやるつもりだったけど
菊池さんが俺もやると言って聞かなくて、結局手伝ってもらうことに。
風磨「A、袖濡れそう。」
A「っ、！」
風磨「！！」
その瞬間
会話が止まり、水の音だけがリビングに響く。
食器を洗い流していると
水がかかりそうになっていた洋服の袖。
菊池さんが捲ろうと伸ばした手を、私は咄嗟にはたいてしまった。
見せられない
こんな醜い体を見せたら
菊池さんもきっと周りと同じようになる
A「あの…自分で捲れるので、…ごめんなさい、」
風磨「…ん、俺こそごめん。」
少し間をあけて、菊池さんからの返答が来る。
思えば
昨日私が道で座り込んでいたこと
何も私物を持っていないこと
菊池さんにとって不思議なことは山ほどあるはずなのに
何も聞いてこないのはきっと彼の優しさ。
それに対して恩を仇で返すように心を閉ざし
今も彼を拒絶して気を使わせた
そんな自分が情けなくて仕方なくて
菊池さんと目を合わせることが出来なかった。
・
作者のご挨拶。（2023.2.9 追記）→←story 16
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ゆら(プロフ) - ほたるぶくろさん» 姉妹揃って読んでいただけてるんですね...勧めてくださるなんて本当に嬉しいです、お姉さんにありがとうございますと伝えておいてください！笑 勝利くん担当なんですね！もしかしたら今後出てくるかも...？ 応援ありがとうございます!!更新頑張ります！ (2018年8月8日 1時) (
レス) id: bb2e7fe344 (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - クンミンさん» お待たせしてしまってすみません、。仲間がいるとより学生生活が楽しくなりますね！ (2018年8月8日 1時) (レス) id: bb2e7fe344 (このIDを非表示/違反報告)
ほたるぶくろ(プロフ) - 凄く面白いです！私は、姉に勧められて読んでみたら面白くて担当は、勝利君なんですけどでも担当が、ちがくても思わず読んでしまうような作品です！更新大変だと思いますがこれからも更新お願いします！すっーーごっく楽しみにしてます！！ (2018年8月4日 23時) (レス) id: e76e45ece2 (このIDを非表示/違反報告)
クンミン(プロフ) - 更新ありがとうございます^ ^いつも楽しそうでいいなぁ。仲間っていいよね。 (2018年8月2日 17時) (レス) id: 1f2e7aa42e (このIDを非表示/違反報告)
ゆら(プロフ) - ふまたんさん» ふまたんさん！コメントありがとうございます、嬉しいです！今回は優しすぎる風磨くんを書いてみました笑 更新遅いと思いますが、応援よろしくお願いします、！ (2018年7月27日 12時) (レス) id: bb2e7fe344 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆ ら 。 | 作成日時：2018年5月28日 23時
