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機動隊員 E ページ5









______吾輩はモブである。名乗るほどの名前はまだ無い。



しかしモブにだってやらねばならぬ時はやって来るのだ。


例えばそう。

……目の前に残り6秒で爆発する爆弾がある時とか。






何故だ、何故こんなことになる。







警察学校卒業後、私は数少ない女性警官のみで構成される特別機動隊に配属された。


目標は今も無いままだが、人生をぼーっと生きている人間の割には、それなりに真面目に任務を遂行してきたつもりである。



これでも一応表彰されてますがなにか。




そんな私は今日も、とあるマンションに爆弾が仕掛けられたということで、にっこり営業スマイルで住民の避難誘導を行っていた。

こういう類は男性よりも女性の方が威圧感が無くて良いらしい。




……いや、こんな緊急事態に威圧感とか気にしてんじゃねぇよ。


誰でも良いからさっさと避難させとけ。




なんて文句は飲み込みつつ、ものの三十分ほどで全体の避難は完了した。


あとは解除に当たっている爆発物処理班に報告するだけとなり、上への報告で忙しい隊長の代わりに選ばれたのは、なぜか私であった。




隊長。いくら私がいつも死んだ目で任務を遂行しているからといって、こんな嫌がらせは酷いと思います。








「_____みんな!逃げろ!逃げるんだ!!タイマーが生き返ったぞッ!!!」








それでいて報告に来た私はこの仕打ちである。


さては神は私が嫌いなのだろうか。




一斉に逃げ出す彼らの背後で隣をチラリズムすると、あら不思議。今にも爆発しそうなやや大きめの爆弾があるじゃないですかヤダー。



この大きさならば恐らく火薬の量も相当。

たとえ逃げたとしても、確実にこのフロアは吹っ飛ぶ。


真隣にいる私はもちろんのこと、今逃げている彼らも恐らく爆発に巻き込まれて死ぬだろう。




……となれば、生き残る方法はただ一つ。






左遷される覚悟は決まった。

全てを失う覚悟を持った人間は時として最強なのだ。




私は即座にその爆弾を掴み取り、開け放った窓に向け、プロ野球選手ばりの投球フォームを披露する。








「______こんなとこで死んでたまるかぼけええええ!!!!!」








残り2秒の文字が刻まれた爆弾が、青空に向けて放たれる。



その瞬間、私は近くに放置されていた機動隊の盾を掴み取り、立ち止まっていた長髪の彼の前におっ立てた。








「君、もしかして___」








何か言おうとしていた隣の彼の声は、それからすぐに、建物が揺れるほどの衝撃と爆発音に遮られた。








捨て駒 F→←卒業生 D



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メル(プロフ) - これはまじで神作だわ、、初めてここまで鳥肌のたつ作品に出会えました。 (4月19日 21時) (レス) @page35 id: 4a64b135ae (このIDを非表示/違反報告)
脱兎@さき(プロフ) - これが神作ってやつか…………最高すぎました (4月15日 18時) (レス) @page35 id: 474e2f0f3d (このIDを非表示/違反報告)
向日葵蜜柑 - 好きです(唐突な告白) (6月15日 7時) (レス) @page35 id: d4d5a8cd26 (このIDを非表示/違反報告)
めいめい(プロフ) - やばい、すき (6月12日 21時) (レス) @page35 id: 19d12ec8ba (このIDを非表示/違反報告)
陽毬(プロフ) - 構成から何からもう最高に格好良過ぎ大好き。夢主は当然設定とその小出し方がもうほんとドタイプだし終わり方も最高過ぎた……。まじで良いお話ありがとうございます (5月30日 12時) (レス) @page35 id: 22cb640d25 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無糖 | 作成日時:2022年4月29日 0時

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