同期についての考察 ページ25
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＿＿＿＿＿＿始まりは、コードネームすら与えられていない下っ端の裏切り者を、俺が殺したことにされていた時だ。
あの一件以来、バーボンとしての立ち位置は、以前にも増して組織の内情に深く首を突っ込める程までになった。
ジンやベルモットまでとは言わずとも、バーボン個人の意見で多少の融通ならば利かせられるし、周囲からの疑念の眼差しも格段に減っている。
名も知らぬ“彼”の死から、あまりにもトントン拍子で進み始める任務。
自分の与り知らぬ所で事が勝手に良い方へと転がり続けているこの現状は、幸運だと思うよりもまず、不気味だとしか思えなかった。
《私の捨て駒は、君と同期の可愛川ゆきだ》
＿＿＿可愛川A。
俺がその名に到達することが叶ったのは、例の裏切り事件から三年後の夕方。
ヒロに貸した盗聴器の電源を切り忘れていることに気づいた、まさにその時だった。
“ゼロ”の中でも特にNo.2の座についている男は、まるで世間話でもするかのように、あの日の不可解な殺人について言及していく。
ヒロが公安の人間だとバレかけていることを知り、味方にすら存在を知られていない捨て駒として、潜入の際に使っていた姿を囮にしたこと。
万が一の場合に備えて、偽造した死体からは、身元の特定につながるものを全て消し去ったこと。
それらを行った可愛川本人は、潜入期間中常に偽名と変装を使っていた為、今も都内で普通に暮らしていること。
彼女の現在の住居を聞き、走り出すヒロの足音を聞いて、僕は無言で通信を切る。
「可愛川……あいつが……」
……彼女については、警察学校時代からその存在を認知していたつもりだ。
なんなら一度、彼女という存在が不気味過ぎて、その存在を目で追っていたこともある。
例えば射撃訓練。
アイツは常に10発だけはド真ん中に命中させるのに、10発を過ぎると、今度は「ふざけてるのか？」と思うほどに大きく外し始める。
お前の視力は10発当てたら0.01にでもなるのか。
そう問いたくなるほど、10発目以降の外し方はあり得ないものだった。
例えば武道。
明らかに経験者の動きをしているのに、彼女の黒星が白星の個数を上回る事は一度もなかった。
一瞬誰かと黒星の数でも競い合っているのかなんて考えたが、例えそうならそんな無駄なことは今すぐやめちまえと思う。
そして座学。どのテストにおいてもオール80点。正直これが一番気味が悪い。
80という数字に一体何の未練があるというんだ。
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メル(プロフ) - これはまじで神作だわ、、初めてここまで鳥肌のたつ作品に出会えました。 (4月19日 21時) (
レス) @page35 id: 4a64b135ae (このIDを非表示/違反報告)
脱兎@さき(プロフ) - これが神作ってやつか…………最高すぎました (4月15日 18時) (レス) @page35 id: 474e2f0f3d (このIDを非表示/違反報告)
向日葵蜜柑 - 好きです（唐突な告白） (6月15日 7時) (レス) @page35 id: d4d5a8cd26 (このIDを非表示/違反報告)
めいめい(プロフ) - やばい、すき (6月12日 21時) (レス) @page35 id: 19d12ec8ba (このIDを非表示/違反報告)
陽毬(プロフ) - 構成から何からもう最高に格好良過ぎ大好き。夢主は当然設定とその小出し方がもうほんとドタイプだし終わり方も最高過ぎた……。まじで良いお話ありがとうございます (5月30日 12時) (レス) @page35 id: 22cb640d25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無糖
| 作成日時：2022年4月29日 0時
