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「ちょっと今から付き合え萩原」


「え、陣平ちゃん?!お前班長と飯食ってくるんじゃ、___いーででででででで!!!!耳耳耳!!!俺の耳!!!!ねぇ千切れる!!!!俺のキュートな耳が千切れるってば!!!!!」


「別に良いだろ耳の一つや二つくらい」


「いや何も良くねぇよ?!??半分無くなるって相当だかんな?!?」








______班長とは昼食を取り終わってすぐに店の前で別れ、代わりに思わぬ形で可愛川の情報を掴んだ俺は、すぐさま萩のいる機動隊の部署に急いだ。


部署に着くと奴は同僚や後輩を交えて楽しげにコンビニ弁当を頬張っていたので、説明する時間も惜しいとばかりに耳を引っ掴んで無理矢理歩かせる。




目指すは警視庁の交通部交通執行課。


班長に聞いたから間違いねぇはずだ。

……その情報が最新でも一年前というのが、多少気になるところではあるが。




未だにギャンギャン吠えている萩に関しては、交通課までの道中で俺が「可愛川の居場所が掴めたかもしれねぇ」と伝えた瞬間に黙っていた。扱いやすくて助かる。






……明らかに、俺達の人生に大きく関わっている筈の人物。


にも関わらず、最近になるまでアイツは俺達に一切の気配を気取らせなかった。

アイツは一体、何者なんだ。








「ちょっと、野郎が二人も揃って交通課に何の用?ここは出会いの場じゃないんですけど」


「人をどこぞのバカと一緒にすんじゃねぇ」


「あれ、なんでサラッと俺を馬鹿にした?」





「それより宮本、お前に聞きたいことがある」


「え、まさかの無視?おーい陣平ちゃーん?」








隣で何か言っている萩原の顔面を片手で押さえつけ、俺は早速ここにやってきた一番の目的を話した。








「お前、一年前ここに配属された可愛川Aって奴知ってるよな。居るなら会わせちゃくれねぇか」


「あー。悪いけど、それは無理ね」


「……なんか事情でもあんのか」


「いや、事情も何も、」








______あの子なら、一月前に警察辞めたわよ。



宮本があまりにもカラッとした口調で言うもんだから、俺は一瞬、何を言われたのか分からなかった。

受け取った言葉をガリガリと咀嚼しているうちに、漸く事態が飲み込めてくる。



それと同時に、多くの疑問が俺の中で湧き起こる。



何故可愛川は、わざわざ復帰できた警察を、今度は自ら辞めたのか。








「______そういえば辞めた時のアイツ、魂が抜けた後みたいな顔してたわね。なんでも、育ての親が亡くなったとか何とか」








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メル(プロフ) - これはまじで神作だわ、、初めてここまで鳥肌のたつ作品に出会えました。 (4月19日 21時) (レス) @page35 id: 4a64b135ae (このIDを非表示/違反報告)
脱兎@さき(プロフ) - これが神作ってやつか…………最高すぎました (4月15日 18時) (レス) @page35 id: 474e2f0f3d (このIDを非表示/違反報告)
向日葵蜜柑 - 好きです(唐突な告白) (6月15日 7時) (レス) @page35 id: d4d5a8cd26 (このIDを非表示/違反報告)
めいめい(プロフ) - やばい、すき (6月12日 21時) (レス) @page35 id: 19d12ec8ba (このIDを非表示/違反報告)
陽毬(プロフ) - 構成から何からもう最高に格好良過ぎ大好き。夢主は当然設定とその小出し方がもうほんとドタイプだし終わり方も最高過ぎた……。まじで良いお話ありがとうございます (5月30日 12時) (レス) @page35 id: 22cb640d25 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無糖 | 作成日時:2022年4月29日 0時

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