その辺のモブ K ページ11
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＿＿＿＿＿＿我輩はモブである。名乗るほどの名前はまだ無い。
交通課に配属されて約四ヶ月が経過した。
相変わらず教育係の宮本さんには振り回されっぱなしだが、伊達さん同様、彼女も部下思いな優しい上司なので、特にこれと言って困った事はない。
そんなことをポケーと考えながら、夜勤明けの疲れた体で人通りの少ない道路をパトカーで走る。
隣には大欠伸をかます宮本さん。
三途の川は見なくて済むけど、出来ることなら私も助手席で寝たかった。運転だるい。
「……ずっと思ってたんだけど、アンタの名前ってかなり珍しいわよねー」
まだ日が登らず薄暗い車内で、私の警察手帳を開いた宮本さんがそう呟いた。
「よく言われます。母親が再婚した相手がこの苗字だったもんで。前は普通ですけど」
「ふーん。まぁ可愛げの無いアンタにしては“可愛”くていいんじゃない？」
「馬鹿にしてます？」
「褒めてんのよ。てか前の苗字はなんだったの？」
「教えるほどでもないんで、とある動物園と同じとだけ言っときますわ」
「動物園？」
何かあるかしら、と窓の外へ目をやった宮本さんを横目に、私は前方にとてつもなく危ない運転をするトラックを見つけた。
居眠り運転か？こんな時間まで配達とか、配達業は大変っすね。
ただこのまま事故起こされるとこっちの仕事も増えるんで、悪いけど叩き起こさせてもらいますわ。
「すぅ……そこのトラック止まりやがれー！！！さもなくば撃つぞー！！！！」
「ちょ、アンタ急に何やってんの？！？」
「え？普段の宮本さんの真似ですが」
「変なとこばっか吸収してんじゃないわ！！！」
私の大声に飛び起きた宮本さんは近所迷惑だのクレームだのブツクサ言っていたが、前方のトラックは大人しく路肩に止まってくれた。
私たちもその後ろに車を停めて、運転席に回り込む。
「運転手さん、大丈夫ですかー。危ない運転してたんで止めさせてもらいましたわ。目ぇ覚めました？」
「いやぁ、おかげさまで。もう少しで事故るところでした」
「そりゃ良かった。もしあれだったら、どっかで仮眠とって帰った方がいいっすよ。今回は特別に見逃しときます」
「ははっ、面目ない」
忙しそうなトラックの運ちゃんとはそれで別れ、後ろに停めたパトカーに戻る。
宮本さんには色々叱られたけど、まぁ結果良ければ全て良しだ。
「まったく……ほら、さっさと帰るわよ
「ういーす」
モブのとある日常譚 END
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メル(プロフ) - これはまじで神作だわ、、初めてここまで鳥肌のたつ作品に出会えました。 (4月19日 21時) (
レス) @page35 id: 4a64b135ae (このIDを非表示/違反報告)
脱兎@さき(プロフ) - これが神作ってやつか…………最高すぎました (4月15日 18時) (レス) @page35 id: 474e2f0f3d (このIDを非表示/違反報告)
向日葵蜜柑 - 好きです（唐突な告白） (6月15日 7時) (レス) @page35 id: d4d5a8cd26 (このIDを非表示/違反報告)
めいめい(プロフ) - やばい、すき (6月12日 21時) (レス) @page35 id: 19d12ec8ba (このIDを非表示/違反報告)
陽毬(プロフ) - 構成から何からもう最高に格好良過ぎ大好き。夢主は当然設定とその小出し方がもうほんとドタイプだし終わり方も最高過ぎた……。まじで良いお話ありがとうございます (5月30日 12時) (レス) @page35 id: 22cb640d25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無糖
| 作成日時：2022年4月29日 0時
