クラスメイト A ページ1
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______我輩はモブである。名乗るほどの名前はまだ無い。
今日から高校生活二年目のクラス分けが公開された。
群がる生徒の壁をすり抜け、私も自分のクラスを確認する。
二年七組、4番。
うーん、今年は3番じゃなかったな。
向かった教室の場所は学校の二階、廊下の突き当たり。
どうせ今年もぼっちで過ごすんだろうな、なんて思いながら扉をスライドした教室では、二年目初日にして早々、軽いお祭り騒ぎが起こっていた。
なんでも、一年の時にイケメンとして有名だった二人が、この二年七組に集結したらしい。
確か名前は、___萩原研二と松田陣平。
萩原くんは所謂チャラ男に分類される人で、相手が女の子なら誰彼構わず話しかけにいくとして有名だ。
因みに去年同じクラスだった。
彼の武勇伝を一つ紹介するなら、入学初日にしてクラス全員のメルアドを入手していたことだろうか。
私も勿論ゲットだぜ!済みである。
クラスのヒエラルキートップ層には勝てないよね、そういうこと。
松田くんの方は正直関わりがないのでなんとも言えないが、女子と戯れるようなタイプでないことは確か。
萩原くんとは真逆で、どちらかというと一匹狼。
とはいえ男子とはよくつるんでいるらしく、それを見た女子には散々かっこいいと騒がれている。
イケメンも大変ですね。モブには関係ないですけど。
「あれ、もう結構来てんじゃん!おはよー!」
「テメェは朝から元気だな……」
噂をすればなんとやら。件のイケメン二人組の登場である。
萩原くんが顔を出した瞬間の女子の騒ぎ様といったらなんというか。
普段は騒がしい男子の方々が引いてたので相当だと思う。
大丈夫か、松田くん。アンタ顔死んでんぞ。
そんなお祭り騒ぎを横目に、明日から始まる授業の予習をしていれば、ふと手元に大きな影が差した。
「君、去年もクラス一緒だったよな?」
「あぁ、はい。そうだと思います」
話しかけられた。学年1のモテ男に。
彼の背後から突き刺さる妬み嫉みの視線は気のせいだと思いたい。
松田くんもなんとなく気付いてくれているのか、さりげなく萩原くんの肩を引いて「おい」と言ってくれるけれど、君にも十分リア恋勢がいることを理解してほしい。
「今年も一年よろしくな」
「どうも」
それにしても、わざわざ覚えていてくれるなんてマメな人だな。
______結局、高校時代の彼らとの接点はこれだけだった。
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メル(プロフ) - これはまじで神作だわ、、初めてここまで鳥肌のたつ作品に出会えました。 (4月19日 21時) (レス) @page35 id: 4a64b135ae (このIDを非表示/違反報告)
脱兎@さき(プロフ) - これが神作ってやつか…………最高すぎました (4月15日 18時) (レス) @page35 id: 474e2f0f3d (このIDを非表示/違反報告)
向日葵蜜柑 - 好きです(唐突な告白) (6月15日 7時) (レス) @page35 id: d4d5a8cd26 (このIDを非表示/違反報告)
めいめい(プロフ) - やばい、すき (6月12日 21時) (レス) @page35 id: 19d12ec8ba (このIDを非表示/違反報告)
陽毬(プロフ) - 構成から何からもう最高に格好良過ぎ大好き。夢主は当然設定とその小出し方がもうほんとドタイプだし終わり方も最高過ぎた……。まじで良いお話ありがとうございます (5月30日 12時) (レス) @page35 id: 22cb640d25 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無糖 | 作成日時:2022年4月29日 0時