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3話“はじまりの合図” ページ6

「..エリザベス、Aと一緒にここを離れろ」

「嫌です、父上も御一緒に..」

「時期に聖騎士たちがやってくる..裏の扉から出て逃げるんだ」

「父上..、っ!?」


部屋の扉がドン、と叩かれた。同時に稲妻のような鋭い光が扉を覆う

ついに、始まってしまったのだ。ついこの間までは平和に流れていた日常が一瞬にして変わってしまった

思えば最初に王国転覆を謀ったとして七つの大罪が国を追われてから、全てが始まっていたのかもしれない。聖騎士長であるザラトラスが殺されてから..


「..エリー、行こう」

「でも、父上が」

「早く行け、わしは大丈夫だ」


零れる涙を拭ったエリーの腕を掴んで暗い通路を走る。コツコツとヒールが鳴ってうるさい


「そこにいるのは誰だ!」

「「っ!?」」


しばらく進んだ時に大きな声が私たちを呼び止めた。

どうしてこんな所に兵士が..いや、描かれていなかっただけで実際はこんな危ない道を逃げてきたのかもしれない


「エリー、振り返らずに走って逃げて。七つの大罪を探すの」

「でも、Aは..」

「大丈夫、必ず会えるよ」

「...っ、必ずよ?」


メリオダスに、ね

正直私はここでどうなるか分からないけど、でもここで2人とも捕まるわけにはいかない。エリーだけでも逃がさないといけないから


「私よ」

「A様!?どうしてここに..」


ただの平兵士なら私に油断している今、そこまで怖い存在じゃないはず。私にそんな勇気無いけど


「どうしてお父様を捕まえるの?姉様たちは!?」


この間にエリーが走って逃げていることを祈って大きな声を出す。だって走るとヒールがうるさいんだもん


「私たち、何かした..?」

「..A様...」


泣き真似とか、流石にそこまで出来ないから俯いて声を震わせる。我ながら酷い演技だ


「...っ、お逃げください、A様」

「え」


バッと顔をあげれば涙を流しながら拳を震わせる名前も知らない平兵士。..嘘でしょ?こんなの通じる人いたの?もしかして私、演技の才能ある?

すぐ調子に乗るのは私の悪い癖だなぁ、なんて考えながら走り出す


「じゃあね」

「あれ?A様?涙は..」


戸惑う兵士を背中に感じながら全力で走る。エリーは何処に行ったんだろう、まだあまり時間が空いてないから近くにいるはずなのに

とりあえずこっち行ってみるか..

4話“聖騎士の剣”→←*



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にのん - 更新頑張ってね! (2018年7月16日 1時) (レス) id: 9d3bd060af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なこ | 作成日時:2018年6月8日 8時

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