【七つの大罪 ~もう一つの物語~ 】 (ページ4)

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２話“幼き日の思い出” ページ4

｢A！一緒に遊ぼう｣

第３王女であるエリザベス(以下エリー)はとてもお転婆なお姫様だ。まだそこまで歳がいってないのに頭がいいというか、発想が凄いというか、考える事が違う

｢ねえ、悪戯しない？｣

｢はい？｣

｢今日のお夕飯の時まで、ここに隠れてるの｣

｢お父様たちが心配するよ｣

｢...そう、かな？｣

そんなこと当たり前なのに何をそんなに心配そうにしているのか。きっと、エリーは頭がいいから自分が本当の娘じゃないってわかってしまったんだ

｢エリー、大丈夫。私たちは家族でしょ？｣

｢...うん｣

結局その日エリーは夕飯に現れなかった

案の定、慌ててそこら中を探し回る父、バルトラ。何かあったのではと心配する姉達

それらを他所に昼間隠れようと言われた場所に来てみればやっぱりそこで蹲るエリーを見つけて、そっとその頭に手を乗せて撫でる

｢..エリー、晩御飯の時間だよ、いこ｣

｢...うん、｣

それからエリーは次の日も、そのまた次の日も、何かしら悪戯を仕掛けては皆を困らせた

1番酷かったのは、アニメでも放送されてた木に登ったやつ。バルトラが怪我を負ったのを境に悪戯は止まったけどね

***

ある日の夜、トイレに目が覚めて部屋を出た

薄暗い夜の廊下は何かが出そうで怖い。特にここ、お城だから尚更。ちゃっちゃと行って、とっとと戻ろう、そう考えて廊下を進んだ

エリー連れてっても良かったんだけどね、何となく起こすのも気が引けるし

｢..眠れねえのか？｣

そんな時に掛けられた声に後ろを振り向けば、メリオダスが立っていた。嘘、足音しなかったけどいつからいたの

硬直したまま動かない私を見て、何を勘違いしたのか苦笑いをしてから私の頭に優しく手を乗せる

｢俺はメリオダス｣

知ってる、知ってるよメリオダス

だって七つの大罪で一番好きなキャラだもん。ふとした瞬間に見せる憂いを帯びた表情とか何考えてるかちょっとわかんない所とかすごく好きだもん..ハッいかんいかん

｢メリオダス..さんは、こんなところで何してた、んですか？｣

無理だ、タメ口なんてきけない..ハードル高すぎる

｢メリオダスでいいぞ｣

｢ねぇ、エリーと会いました？｣

｢エリザベス？何で？｣

｢...エリーのこと、大事にしてあげてね｣