風の声を尋ねる (ページ6)

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貴方side

『……』

ウェンティ｢すごいよ！A！まさか神の目が光らなかったのに風元素を操れるだなんて！いやぁ、やっぱり実践に限るね！｣

『ばかくそ呑気能天気吟遊野郎』

ウェンティ｢えぇ～！ひどい！｣

目の前でふざけるウェンティをじっと見つめる。

ウェンティ｢え？僕の顔に何か付いてる？｣

どこまでも恍ける彼に、既に僕は呆れを覚え、ため息をついた。

ウェンティ｢それで？改めて戦ってみて感想は？｣

『…………自分じゃなかった』

ウェンティ｢え？｣

『まるで、体の半分は誰かが所有してるかのような感覚。
自分が感じる自分の存在が半分だった……って聞いてる？』

目の前で目を閉じる彼にそう聞く。

ウェンティ｢え？あ、あぁ……う、うん！聞いてたよ｣

絶対嘘だな、と思いつつも、彼は僕が戦いの際感じていた謎の感覚について何か知っているようだ。

彼が暫く考え込んでいる間、特にすることもないので、僕は周りの''オト''でも聞いていようかな。

自由の都''モンド''はとても安らかなオトがする。

そして、彼自身も周りと違う''オト''がする。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

七天神像の前に座り、どこか懐かしく感じる歌を口ずさみならが景色を眺めていると、ウェンティが''お待たせ''といい、隣に腰を下ろした。

ウェンティ｢君は精霊という存在を知っているかい？｣

『あのふよふよしたやつだよね？』

指を差した先にある水色の飛んでいるやつを見る。

ウェンティ｢うんうん♩じゃあ、君は精霊の上位互換を知っているかい？｣

『精霊にも階級社会があったんだね』

ウェンティ｢その言い方だとブラックだなぁ｣

ウェンティは苦笑いしたあと、咳払いをし、少し間を置いて話し始めた。

ウェンティ｢かつて、七神には直属の精霊がいたんだ。
その子たちは様々な形をしていて、人間の姿をしていたり、それこそ物語に出てくるような精霊の形であったり…

もちろん、ここモンドを統治していたバルバトスにも直属の精霊がいた｣

彼はどこか懐かしそうな目で景色を眺める。

まるで、彼がかつてその精霊と過ごしていたような…

その目を見て、僕は自分の中にある憶測がより現実に近づいた気がした。