青学マネの備忘録 2 【テニスの王子様】 (ページ23)

今日:19 hit、昨日:59 hit、合計:38,249 hit

23 ページ23

･

裕太くんは元々は青学にいた。

約半年だが。でもテニス部には入らなかったのだ。きっと比較されたくなかったんだろう

天才と言われる不二周助と。

─────

──────────

───────────────────

裕太side

1年前、青学に入学した俺を待っていたのは

いつも通りの周助(アニキ)絡みの会話。

『不二裕太くん、だよね？』

突然話しかけてきたのは
テニス部のマネージャーで

休み時間だったし急ぐ用事も無くて、しかも先輩だったから適当に終わらせることもできなかった。

裕太「…なんすか」

噂は聞いていた。

人気な男子テニス部のマネをやっている生意気な女子がいると。

青学はマネがいないと回んないのかよ、と悪態をついていたが彼女は噂とは程遠い雰囲気だった。

『テニス部に入らない！？』

裕太「入らない」

即答で返すと彼女はガーンという効果音が似合うほどショックを受けていた。

なんなんだこの人

早くどっか行ってくんないかな、そんなことを思いながら頬杖をついて視線を外す。

「え！お前テニス部入んの！？」

「不二先輩の弟だもんな」

彼女は余程有名なんだろう。彼女と少し話しただけでテニス部に結びつき、そしてクラスメイトの注目を浴びた。

『あ、やっぱり不二くんの弟さんなの？』

苗字が一緒だからそうなのかなーとは思ってたんだよね、なんて呑気に笑っている先輩

裕太「俺は、！」

『で、そんなこと(･････)よりテニス部入らない？楽しいよ』

そんなこと、？

この人は俺と兄貴のことを"そんなこと"という言葉で片付けられるのか

裕太「………入らない。そもそも関係ないっすよね。マネージャーだかなんだか知らないけど迷惑なんで話しかけないでください」

俺は思いっきり立ち上がって教室から出ていった。

『距離詰めるの早かったかなぁ、』

知ったかぶったような彼女に腹が立ち

それと同時に何も言えなかった自身にも苛立った。

入学したてで小学生と何ら変わらない俺は
まだ餓鬼だった。

折角俺自身を見てくれた人を蔑ろにするほど。