記憶の傍らで君が【約ネバ】 (ページ41)

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私は夕食前に
みんなに話があると言って部屋に集めた。

ノーマン｢ハウスに"秘密の部屋"がある？｣

『そう。場所はここ』

ノートに書いた簡易地図に丸をつける。

『ママの部屋の隣。』

ギルダ｢ママの寝室って隣にトイレと洗面所。その先に壁を挟んでママの書斎が続くんだけど、多分ここ壁じゃないと思うの｣

『姿を消す前、ママは決まって書斎か洗面所に行く。それで部屋の内側と廊下側それぞれ距離を測ってみた』

ドン｢結果は？｣

『合わなかった。私の足で10個分くらいの差がある』

一方は壁。一方は本棚。

どちらにも隠し扉があるんだと、私は仮定した。

きっとその先に秘密の部屋がある。

ドン｢けど、なんのため？｣

レイ｢定時連絡だな。ママは本部に毎日定時連絡をしている。そのための部屋だろ｣

やっぱり！とギルダと目を合わせた。

ドン｢本部？｣

ノーマン｢このハウスに弟妹や大人を供給している拠点だよ｣

エマ｢レイは知ってたの？ここに部屋があるって｣

レイ｢いや、そういう部屋がどっかにあるって存在は疑ってたけど｣

私がこの部屋について調べた理由はひとつだ。

本来であればこんなことしない。
したって意味なんてないから。

でも、わざわざ距離を測って
話題にしたのには…。

ドン｢入ってみようぜ。"外"との通信手段…それにコニーたちの行き先もなにか手がかりが掴めるかもしれない！｣

彼の火を、つけるためだ。