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3人で小物類を運ぼうと下に降りる。
ドン「まじでなんで俺らだけ?おかしくね?」
ギルダ「文句言わないでよ…」
『最年長だからじゃないかな?』
私たちのせいでこういうことをさせられている彼らをフォローするように口を挟んだ。
ドン「どういうこと?」
『こういう仕事を任せられるほど、信用してくれてるんだよ』
まぁ、本当は信用ではなく、疑惑なんだけど。
ドン「……………ふぅん、なるほどね?」
ギルダ「…単純」
ドン「なんだよ!悪いかよ!」
『悪くないよ。それがドンの良いところでもあるから。ドンの言葉は真っ直ぐで心に響くものがある』
ドン「…………Aって、人をよく見てるよな」
『…そう、かな』
意識したことないや…と頬を掻きながら笑う。
ギルダ「にしても、本当にどうしてこんなことするんだろう?」
『………仮説だけど、話そうか?』
本当は、ノーマンたちに話そうとしていたこと。
だけどこの話をしてしまったら
ギルダ達にそれ以外のこともバレてしまう。
それを少し恐れて話さなかった。
否、話せなかった。
自由時間の全てがこの雑用で終わっているからだ。
ゆっくりとエマ達と話す時間もない。
ドン「Aはわかるのか?」
『多分だけど、新しい人が来るんじゃないかなぁ?』
ギルダ「…新しい人?」
『うん。今までそういうこと無かったから仮説だけど……ただの掃除なら食料庫の整理に予備リネンの点検なんてしないでしょ?』
この話をドンがノーマンたちに伝えてくれたらいいけど。
どうだろうか。
ドン「確かに。新しい人かァ…どんな人だろうな?」
ギルダ「さぁね。ほら、運ぼ!」
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作者名:+1 | 作成日時:2023年11月4日 13時