影浦隊のあの子 7 【ワートリ】 (ページ10)

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荒船side

知ってた

いつだってコイツの隣にいるのはアイツで。

俺なんか勝ち目がないって知ってた。

知ってて悔しかった。

カゲがほかの女子と話すことは滅多にない。

それでも別隊のオペと話してる時のAは

いつだって寂しそうな顔をしてた。

本人は全く気づいてねぇだろうし

なんなら、仲良いなぁ…くらいにしか思ってなかっただろう。

そんくらい、好きだからわかる。

いつだって相手を思いやって優しくて

笑顔なコイツは、本当に可愛くて

俺の彼女になってくれたら、どれだけ幸せだろうか

そう何度考えたことだろう。

でもこいつが見てんのはカゲで、

俺なんか眼中にすらない

詳しいことは知らねぇけど、

そういうことから逃げてるのは見てればわかる

荒船「いい加減、認めろよ」

そっと襟から手を離す

あんまり力は込めてなかったから痛くはないだろう

『……カゲ、は…友達で…』

荒船「告白されて嬉しかったんだろ」

『！』

ほらな、やっぱり

どうせ伝える気のなかったカゲが悩んで眉間にシワ寄せてたから

それ気にして真っ直ぐ受け止めたんだろ

『…好きって言われて、みんな嬉しいに決まってる、じゃん』

荒船「俺はお前からじゃないと嬉しくねぇ。それ以外は要らねぇんだよ」

『…そんなの、』

荒船「友達として好きなら誰だって嬉しいだろうな。でもカゲのソレは友達としてじゃねぇだろ」