検索窓
今日:8 hit、昨日:25 hit、合計:30,063 hit

32 ページ32

手塚side





軽く部室掃除を終えて、

俺は処分するボールを分け始めた。

隣でAは椅子に座って日誌を書いている。


『氷帝学園かぁ…』

手塚「不安か」

『…不思議と、負ける気はしないな』


自信満々に答えたAに

俺は心のどこかで少し寂しさを感じた。


越前を守って怪我をした時も、


期待通りの彼女の行動に
怒るに怒れなかった。



"他人への優しさとは
自己の犠牲によって成り立っている"


彼女はその言葉そのものだった。



『まだ、引退は早いよね』


手塚「__…そうだな」



ボールの音と、ペンの音が部室に響く。


手塚「…A、」


『なぁに?』


ペンの音が止んでこっちに顔を向けたA。



話をする時、彼女は必ずこっちを見る。
俺はそんな彼女に想いを寄せている。





"海外留学特待生"という
先生から見せてもらった書類が頭をよぎった。


手塚「いや、呼んでみただけだ。気にするな」


今は、全国だ。


約束したからな。




『ふふ、変な手塚くん。……ねぇ、』

手塚「どうした」


『跡部くんと当たっても大丈夫なの?』


手塚「…」


『左肘、完治してないよね』



何も言わない俺にAは察したのか、


『……そろそろ帰ろっか』

手塚「…書き終えたか」

『ばっちり!手塚くんは?』

手塚「このカゴは終わったな。」

『なら帰ろ!家まで送ってよ』

手塚「もちろんだ」

33→←31



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (78 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
356人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:+1 | 作成日時:2023年3月15日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。